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そして20年。今ではまともな従順な奉公人になりました。そしてその家のお嬢さんのお稽古事についていくと三味線の先生はあんまの子供なのです。

そして奉公人のことを三味線の先生は好きでたまらない、関係です。しかし三味線の先生を好きな武士がもうひとりいます。そして奉公人が好きなお嬢様。おかしくなりそうですね。しかし役者の質がいい。無名というか知らないだけかもしれないがいい俳優いましたね。お嬢様には金持ちのいいなずけがいるので母はこの奉公人を追い出したくて仕方ないのです。愛に生きられたらたまらないと思うのでしょう。形式でも金持ちと一緒になってほしいと思うのは仕方ないことです。

しかし先生は三味線の撥で、お手伝いが奉公人が先生の父の仇と聞いた日に、父親がはじめに切られたところと同じところを怪我します。何かの因果でしょうか?

そして武士はお嬢様と奉公人の間を取り持つ親切な振りをして先生の嫉妬を買うように仕向けます。怖くなりそうですね。当然先生は追ってきます。そしてほんの弾みで階段からおちてしまいます。2代続く悲劇です。

そのあとお手伝いから父の仇と聞かされ逆上して恨みを晴らすべく直系の人間と悪巧みをした人間すべてを呪い殺して終わります。最後にあんまと武士の所の使用人が供養して終わり。怖いですよ。

「カオス」 中田秀夫監督 2000年

この辺の映画はアメリカなどを調べてみると意外なことに商品化されているんですよね。怖いくらいに日野日出志とかもパッケージになっています。リメイクが流行っているからでしょうか。萩原くんは「CURE」以来です。

冒頭のレストラン、なんですかあのオープンな雰囲気に変にトラディショナル、そして壁にはカシニョール、もうおかしい。(外観が写った瞬間、あそこだ、と見当ついてしまいました)すごい違和感が襲います。女に肉を切らせる男も凄い。(手に怪我をしているんですけどね)女はAとしておきます。すぐに誘拐されます。萩原君(B)とします。また犯人役。ポイントはAが誘拐される前、鏡を意味ありげに見ていたこと。

そして夫に脅迫したと見せて、バックアップ体制の方の妹を脅します。警察はここはノーケアでした。しかし「今、家にある金すべてもってこい」といわれて「はいそうですか」といえる身分になりたいです。というより誘拐とか強盗には縁がなさそうな自分が少し寂しい感じもします。お金ないところにはこういう事件おきませんもんね。というよりこれはAの狂言なんですがAはBに手付金も払って誘拐を演じてもらうのです。何かお金が飛び交ってます。出てくる人がみんな若いので何でこんなにもっているんだろうと、不思議でなりません。この映画観ている人でこんなこと悩んでいる人はいないでしょう。若い人はすんなり見ていると思います。Bの女優は中谷美紀というのでしょうか、ずっと見ていてどこにでもいる普通の女の子だけに気味が悪い感じがします。本当に、ファンの方には失礼ですが、平凡な女の子でこの映画がどこででも起きるという感じを醸し出します。友人の部屋に隠れるのですが「ここにいたという存在証明を残さないこと」とBに言われますが、友人に頼まれた金魚にえさをあげていれば、すなわち、金魚が生きていればBの存在は友人にはばれますよね。これも禁止されます。そして手首を縛る練習。解放されたときに縛り傷がなければ疑われますよね。この練習をしているうちにAはだんだん恍惚的になっていきます。Bはここぞとばかりに犯します。なにかこのシーン、お互いに心の底で合意しているような変な関係ですよ。しかし戻ってみるとAは殺されてます。手足縛って殺されているんじゃ、いくらBが依頼受けたといっても信用されないでしょう。そこに電話、Bも動揺しているのでしょう、電話に出てしまいます。相手は殺したらしき人、なんとなく夫が関与してそうなんですがね。もうBは言われたままに死体の処理をさせられます。しかし子供を送る途中に街でAを見かけます。死体の確認はしたなら、違う人のはず。死体の確認が中途半端ならありえます。しかし狂言誘拐として警察は捜しているはずなので自由に街を歩くことはできないはずですが。当然、Bは掘り返しに行って死体の確認をします。腐乱してきてますけどね。何回も私なら行かない。どんな辺鄙なところでも電気は目立ちます。車も目立ちます。Bはそれを犯しているのです。

まあ、結局は「恋のもつれ」なんですが、後は詳しく書いても仕方ないでしょう。

まあBがだまされたことに気がつき、警察ぬきで金銭の要求をします。そこで夫とBの間に立つA(愛人)がどちらに転ぶかですね。BはAに指示する関係です。夫はAが立てた計画を忠実に守るタイプです。Aの愛情は本当にあるのか?そこがポイントですよ。

最後にゲームの終わり方のABの考え方の違いが鮮明になります。

ぜんぜん怖くない映画なんですね。カオス、考えてみれば怖いわけないですよね。しかしもっと混沌としたテーマでも良かったと思います。出てくる人間がほとんど私利私欲の行動なんですよ。ひとり愛のためというのがいますが「人間の条件」の途中に見るには「お前ら、しょうがないなあ」と思ってしまいます。中谷さん有名な女優みたいですね。知りませんでした。

 

「価格破壊(かかくはかい)」和田勉演出 1981年 

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