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BはBでCに売春させようとするのです。Cは実は近親相姦の末に生まれた子供で、Cが眼が見えないと知ったときに父親は自分の目を刺して死んでいったそうです。まあ狂った家系です。それで眼が見えないというときに、このときもばあ様がCに憑き物がついているとたたいて追い出そうとするのです。こういう風景もBは慣れていないし、気持ちも移っているので助けようとします。この憑き物とかのことですが、Cは当然信じているのです。こういう状況のシーンを見るにつけて、フランス革命は本当に大きいなあと思います。

昔、知識は一部の人の特権でした。本を買える人=貴族が知識人だったのです。しかし、自由平等の精神は教育の自由を導き、万人に望む限り教育を受ける権利を与えたのです。すなわち貴族の特権が消滅しました。しかし、偏狭な地域やKKKのケースのように故意的に閉ざされた教育も脈々と続いておりました。その一例がこのCの家庭です。はじめからCがいらないものとして扱っているのでCもそれが当然と思っているのです。このような状況は今では、特に都市部では考えられないことです。そして、さらに時代の変化が描かれます。それは鉄道の開通です。すなわち空間の超克です。便利になると都会に行くことが簡単になり、出稼ぎが増え、お金を稼ぐということの反面、お金を使うことも覚えるのです。しかし昔と様変わりしたこの地方でも昔かたぎの人がいてBはその人の手伝いをしているうちに自分に合っていることに気づきます。どこにきっかけがあるかわかりませんね。そして好意を持つCと生活を始め、この地方に溶け込みます。A居場所がなくなりBに無言のうちに「故郷が出来てよかったね」と言い残して去っていきます。そしてBは文字通り幸せな日々を送りますが、ここに追っ手が来てしまいます。そしてBは殺されます。残されたCは感情を抑えきれないことでしょう。Bが希望の星のような存在でしたから。

では冒頭のシーン。「ごぜ」に対してCがいろいろと話します。Bとの出来事や、いまだに好きなこと。「ごぜ」は仕方ないことだから忘れなさいと。

このまま、Cも「ごぜ」になっていくことでしょう。しかしめくら、としては深い愛情を経験しているのでその芸事は深いものになり、一流の「ごぜ」になることでしょう。

Aはまた東京にでも戻るのでしょう。キネ旬報第一位らしいのですが当時にはマッチしたのでしょうが今の時代ではちょっとテーマがうまくまとまらない内容だと思います。

「サハラに舞う羽根」シェカール・カブール監督 2002年

「エリザベス」の監督というだけで観てしまいました。1884年の英国ですか。世界の四分の一を支配ということですが、欧州のこのような植民地支配については何もとがめられないのは、結局はいまだに欧州勢力が強いからでしょう。その英国で祖国のために戦わないものを示すものが「白い羽根」とのこと。はじめからラグビー、キルト、ティーと英国を示すものが出てきます。

はじめに若い二人の婚約発表があるんですが(女をA,男をB)そこでの席のダンスの場面ダンスの音楽を止めて映像だけ躍動的に音楽はピアノ一本というのはきれいです。

まあ彼らは軍隊なのですけど、その軍隊の練習風景を見ていると強そうもないです。英国の支配は産業革命を背景に他国にない武器で、技術優位性のもと実現しているので兵士の力は人口のままでしょう。人は石垣なんですがその人口がないのがやはり衰退の原因ともいえます。というよりもともと面積が小さいですからねえ。

案の定、アフリカで氾濫があり鎮定に向かいます。Bは結婚を前にしているし、怖さもあり除隊願いを出します。当然受け入れられません。そのくらい丁重な教育を彼らは受けているのです。上でも行ったように弱いだろうと観ていて思えるくらいの英才教育です。砂漠ではそういうのは通用しません。当然「臆病者」のレッテルは貼られます。Bの友人のCはBを信じているのですが、Bはもともと帝国主義に反対なのでしょう。Aも軍隊に戻れといいます。結局破局してBは失意のうちに民間人として単身スーダンに向かいます。そこで砂漠を越えて英国軍の基地に向こうとするのですが、ガイドに裏切られ砂漠で置いてけぼりを食います。砂漠で一人はつらいでしょう。そんな中Cは英雄として本国に帰ってきます。Bはまるっきりシェルタリングスカイです。倒れたところ現地人に拾われた。

そして現地人とともに英国軍の荷物持ちに採用されます。しかし現地人もBをおかしいと思い(スパイの可能性もある)現地人も高級部族と低級部族がいるのです。その低級部族の一人Dと話すようになります。BDは行動をともにしますが高級部族中心の反乱軍が英国軍の要塞を占拠しているところに入っていくとBだけ連れて行かれます。そこでDは単独に英国軍にこれから襲ってくると知らせに向かいます。Dも高級部族を一掃したいのでしょう。信じない英国軍は四方から攻められます。角陣を組む英国軍に攻めるときの迫力は「アラビアのロレンス」を上回ります。味方の援軍が来たと思い逃げるアラブ軍に追い討ちをかけると砂の中に隠れた兵隊が飛び出してくるし、援軍は先ほどの要塞を占領したときに英国軍から奪ったものです。Bは見た目がアラブに見えないのでこの兵隊に属してました。そして敵だということをいち早く教えるために先に飛び出したのですが、まさに英国の兵隊、それも多分Bの親友でAの今の恋人に撃たれます。映画ですから馬が撃たれて落ちるのですが、英国軍はもうだめでしょう。しかし素晴らしい戦術です。Bは親友だけ助けますが親友が自分の許婚と結婚するつもりなのをもっていた手紙で知ります、そこで現実の厳しさを知るのですが、親友もまた戦場で怪我をして目が見えません。Bが助けなければ死んでいたでしょう。そして帰国しました。BDがある程度まで送ったんでしょう。ロンドンではAが待ってますが目が見えないというのをあってはじめて知ります。そこに戦友がきて戦場でBを見たというのです。そのあと仲間の戦友を助けに刑務所に行ったと言うのです。

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