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まさに敵は身内にあり。そして自分自身もヘロイン、コカインか考えてみればよくわからないのですが、それにはまっていきます。途中マネーロンダリングが出て銀行とやりあうんですが、いまいちぴんとこなかったことがわかりました。考えてみれば、彼らの売り上げは申告できないのです。犯罪ですから、それを預金として預かるには、それも正規の預金として預かるには、帳簿の科目の操作が必要です。その手数料を利子として銀行に払えというのです。ということは法人税がなくて、利益率のいい商売で、金がたまると、これならみんなやりたがる?ので新規参入できないようなコネクションが必要なのでしょう。金がありすぎて困る状態というのは一度で良いからなってみたいですよ。

しかし成功で有頂天になっていると落とし穴が。Aには犯罪は2種類あるので(脱税、麻薬)うまく切り抜けられません。警察に目をつけられてしまいました。さてと仮釈放は刑事犯罪はいいとしても脱税はいけません。このときボリビアの友人もコカイン撲滅運動のターゲットになっていてお互い助け合おうといわれるのですが。しかし、、、ここからがこの映画のいらいらするところでどうしてもAにはできないことがあったのです。友人が送り込んだ刺客をアメリカに不案内だから案内役をしてくれと頼まれるのですが、殺したい相手の車に爆弾を仕掛けるのですけど、その車にその男の妻と子供が乗るのです。この女と子供を巻き添えにしたくないということで友人の刺客を殺し手しまいます。変なところで善意が出てしまったのです。これが人間というものかもしれません。しかし悪の道に入ったものには徹底的に悪の道へ突き進んでもらいたい。そして成功してもらいたい。

このことから信頼関係で結ばれていた友人と敵対関係になり、お互い窮地に立つだけでなく友人は刺客をAに送ります。当然です。「裏切り者は殺せ」がルールですから。

そして麻薬中毒のらりった中、壮絶な死を迎えるのです。このあたりが一番気に入らない点ですけど、いい映画です。

妹も崩れた人生になりました。悪貨は良貨を駆逐するです。サプライズのある結婚をしたつもりが友人が遊びで妹に手を出したと思って殺してしまうのです。この友人を殺したことはすごくショックなのです。

そして最後散っていくのですが、この映画を見ると親分が一番強いんですよ。当然なんでしょうが、ここまで大きくなったらブレーンが必要ではないでしょうか。彼は兵隊のまま死んでいった感じです。

ある意味いい映画です。私はこの主人公の馬鹿さ加減がたまらなく嫌いなんですけど、世間では評価は高いです。

 

「砂の器」野村芳太郎監督 1974年

いまだに人気の高い作品ですね。名作です。しかし原作より映画のほうが情感が高く作られております。また「パピヨン」についでハンセン病の患者が出てきます。

この映画はなんといっても日本の景色がいい。四季折々、いろいろな地方の特色が本当に画面に変化を与えております。

それは状況を描写するだけで、どんな話をしているのかはすべてカットして、状況の様子をテロップで書いて提示するということ、そのことで、画面の情感とその意味の文字としての一致が図られ、かつ画面の景色などの描写から視聴者が個人の人生の歴史に応じていろいろと考える余地というものを作ったことで成功しております。

景色とすると、秋田、石川、出雲、伊勢、大阪、岡山、瀬戸内海などが印象的です。

さらに、ストーリーテラーとしての刑事。この役の丹波哲郎さんがすごく印象的な演技をしてますね。

あとはいろいろと時間的に矛盾はするのですが、それを超える叙情が映画には存在するという点においてすべての矛盾は忘却のかなたへと。

「宿命」生まれてくる、そして生きていくこと、そう人間は一人では生きていけないのです。とてもいい映画です。というよりみんなが知っている良い映画なんでしょう。

「洗濯機は俺にまかせろ」篠原哲雄監督 1999年

この監督としては古いほうですよね。題名からは印象が違う映画です。

関西から出てきた電気店で働く漫画化志望の若者Aを中心にその電気店の社長の娘で出戻りの女Bなどの日常の話だけなんですが、意外と面白い。

この映画でいつも出てくる洗濯機、壊れたらひどい目にあうんです。それはうちの場合は取り出しにくいところに置いてあって、もし壊れたら壊れたのを出すのも新しいのを入れるのも大変なんですよ。その事実をこの映画を観ている最中ずっと気にかけておりました。

Aの友人でコックCがいるのですが腕がいい。しかしレストランで仕事が長続きしない。こういうタイプは多いですよね。あとおいしいレストランなんですが客の入りが悪いとか、何でだろうと思うこともしばしばあります。

もうひとつの流れがAの電気店の前のパン屋でバイトしているAを好きな女の子Dです。これはうまくいきそうなんです。Bと違って晩熟。

あと個人的なことですがこの映画に出てくる食堂とかみんな大衆的でもうすでに汚いというか、あまり華やかな感じというより、タバコの煤や油で汚れた感じの店ばかりなんですが、そういうほうが落ち着くんでしょうかねえ。うちも方向転換しなければいけないのかもしれません。男が行く店なので仕方ないんでしょうが、本日もお客様と話していて、私のほうから男のお客様は少ないと言っておりました。どうにか男のお客様取り込みたいですねえ。なにか商店街の店が舞台なのでどうしてもそんな些細なことに気がついてしまいます。

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