オーストラリアの田舎では同じバンドの演奏者も下手ですし、聴くお客様もほとんどいない。そんな中レコードでAのライブを聞くのが楽しみです。家庭を持ってしまっているので都会に出ることが出来ないのでしょう。しかしチャレンジはしているんです。しかし人生をかけられない。
そんな時、サバンナでトランペットを吹いているとジャズバンドの幻影が見えます。その次の日電報が舞い込んできます。しかしBは信じません。前に電報でレコード会社から来たように見せかけていたずらされたのに、気分が大きくなってみんなにご馳走してしまったからです。それ以来、笑いものにされています。そんな中子供のときの親友が成功して帰ってきて、どうもBの妻(子供のときはBに譲ったのですが、今は成功して立場が変わってます)に近づいてものにしたいらしい。先ほどサバンナで曲を無意識に演奏したときと同じく、こんどは嫉妬という曲のモチベーションがあります。そういう時は常にBの頭の中にAが現れて演奏を補助してくれるんです。しかし大自然と嫉妬というかなりいいテーマを演奏できるようになりました。
そして親友に妻には会わないでくれ、とけじめをつけて内緒でフランスに向かいます。まあ招待状が本物とわかり、自信がついたのです。まあそして再会して一緒に演奏して終わりなんでしょう。あと変化球があるとしたらどんなことでしょうか。ありました。クラブに無理やりAを連れて行ったらBに演奏しろ、と言われてしまいます。即興でBはAの前で演奏します。当然、クラブには行かないことで有名なAが来たことでクラブ全体が舞い上がっております。その中での演奏。一世一代の晴れ舞台ですね。うまいのでAもセッションに参加します。クラブは盛り上がること。そして大喝采。音楽の仕事はパリではとりあえずは見つかります。しかしAはBに帰れと。自分の音楽を追求しろ、オーストラリアの奥地の叫びのような音楽を、と指導してくれます。
そして当たり前の結末と思ったら、監督の前フリにやられました。もしかして、と思わせることが起こり、でも実は。という終わり方です。すごくいいですね。この映画はいいね。何で評価されないんだろうか?
音楽はミッシェル・ルグラン。この人のジャズはあまり好きではないんですが、マイルス・デイビスの存在感は圧倒してました。
「帝都物語」 実相寺昭雄監督 1988年
この映画、もう15年も前の映画になるんですね。確かに今と俳優が違うことは事実ですが、ちょっとこの前、という印象しかないです。この手の映画は大好きです。
呪詛を土御門家が封印していたのですが、その封印が解かれてしまい、将門の怨念と共に蘇るかという話です。最近、陰陽道とか映画が流行っているのでまるっきり同じだと思ってもかまわないのでしょう。恋愛の片思いの女が鬼になって呪い人形に釘を打ち続けているのをその呪詛と解くと言う話もありますよね。ゆかりという女C(けいこ)の妹、が加藤(安倍の子孫と名乗るもの)に連れ去られて子供を身ごもります。ということは生まれた子供は加藤の子供(ゆきこ、といいます)なのです。何か違うオチが待っていそうですが。この、ゆかりとけいこが親友同士(DE、Dの妻がけいこ)の妻や妹なのですがたまたまなのか話の本筋に忘れた頃に出てきます。
ここで、ちょっと関係ないのですが、ある神社の宮司、Dの妻けいこ(B)の流れは相馬でその先祖は将門といういことらしい。それで平将門の血を絶やしてはならないという試練があるのです。加藤(A)の方は安倍氏につながるみたい。そしてBを使って将門を蘇らせようとしてさらったみたい(まあCを身ごもったので成功でしょう)加藤は土御門とも違うらしい。土御門と安倍は対立しているのでしょうか・この映画ではそうです。
とにかく土御門は「都市にも徳というものがあり」江戸は霊場だったのを吉相に変えることで抑えてきたことで栄えてきた、とのこと。都に徳を持たせようとする人たちと壊そうとする人たちの対決です。Aは大連に行ってしまうのですが数年たってその意味がわかります。東京に地震をもたらす音叉の原理で大連で揺らすと東京では同じ地層の上にあるというのでより大きく揺れるとのことです。同じ地層の上にあるのか知りません。そして地震が起きるが将門の霊は起きなかった。それはBが守っていたからです。そして加藤とBの戦いになる。
途中、地下鉄建設の話の時、「こうもり」の音楽が流れるのですが先日見たビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」でもあのビートルズの前のスタジオでこうもり収録中だったんですが引用されやすいのでしょうか?続けて関係ない映画で出てきたものですから驚いてます。
つまるところ加藤の行動の根源は帝都、江戸は霊地として霊験高らかな土地だったのに都市化で汚されてしまった。それを壊して、霊地として甦らせるというものです。しかし加藤は将門の子孫ではないんですよ。この辺に思い違いがあるんじゃないかな。まあこれからは土御門というよりBと加藤の対決です。
また市民はというと関東大地震のあと地下鉄に端を発し、地下に都市を求めます。そしてロボットを使おうとするのですが、そのロボット開発者に西村さん。この人黄門様より、「ゴケミドロ」みたいな狂気的な研究者のほうがあいますね。