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Bの子供もやはり寂しいのです。Cのお産がち近づいてBが面倒を見なければならなくなり、約束の花火大会はいけないと電話があると、一人で花火を見に出かけます。そこで強盗にあいます。子供だからといって甘く見られたのでしょう。そして悪いことは重なりCの夫も、多分むしゃくしゃしていたのでしょう、事故にあいます。そして病院に運ばれます。そこでCがたまたまお産をしていて、生まれたばかりの赤ちゃんを見ることができます。すると愛情がわいてやる気になってくるのです。Cの問題は解決。Bの問題も子供に怪我はなかった、そしてやはり夫はだらしないということで解決。ほかにも花火大会の日、すべてを祝すようにすべてが解決の方向に向かいます。

そしてA,次の日、たまたま父親のところに寄ったら、Eと出会い、三人で話をして二人で職場に向かいました。あとは言うことはありません。一日遅れてAも幸せになりました。

ワンダーランドの花火大会の魔術です。あせることはない、すべてはなるようになるのだ。だからワンダーランドなんだ。そんな映画です。

 

「必殺仕掛人(ひっさつしかけにん)梅安蟻地獄 渡邊祐介監督 1973年

まずは気に入った言葉、梅安の言葉で「食い物には心を込めろ」事実です。ケーキなど作っていて、当然いつも心を込めているのですが、その分出来上がったときにうれしい反面、ぐっと疲れが出ます。どんなに疲れていてもケーキを作るときは真剣になるから不思議です。

まあこの映画では冒頭、梅安が人違いで侍に狙われます。たまたま行きつけの料亭でその相手を知るので、問題ないのですが、逆に深く事情を知るきっかけができてしまったわけで、すごいいいスタートを切ります。今回は緒方拳さん。また同じくせりふで「人とタバコの良し悪しは煙にならなければわからない、昔の人はいいこと言ったもんだ」というのがあるんですが、私もいい言葉だと思います。知識として利用させてもらいます。

展開はわかりやすく、あの料亭で間違えられた男と話している男の方を仕掛けてくれという依頼が梅安の元に増し金で舞い込みます。なんとわかりやすい展開なのだろうか。本当に娯楽とはこういうものです。

相手は元侍で今は街の名士の商人。何で商人になったかというと、侍のときにある殺しを引き受けているのです。そして商人になって大もうけする野心があったのです。それには侍のときに作った貸しでコネを利用して旗本などのよい顧客を作る必要があるのでしょう。

実際、大口つかむと商売は意外と順調なものです。その影で甘い汁を吸う連中もいるのは言うまでもありません。

その仕掛けとほかの仇討ちが絡まって共同戦線を組むのですが、ここで出てくる仕掛け人は梅安だけです。この仕返しをする侍は仇討ちのためという名目しかないのです。何の仇討ちかというとやはりこのなり上がろうとする商人になった元侍の弟に手篭めにされた女の仕返しです。

まあアクション的な見せ場は余りありませんが、なにか梅安のひょうきんな性格が全編に渡ってでて、楽しい必殺仕掛人です。

 

「必殺仕掛人(ひっさつしかけにん)春雪仕掛針 貞永方久監督 1974年

「近頃じゃ盗人も荒っぽくなってきた、昔の盗人はあんなことはしなかった」

この映画の当時でも今からすると甘いし、時代設定江戸時代。それからすると今は狂ってますね。「人間誰を殺したって、後で重たいものを背負うんですからねえ」まるっきり「四谷怪談」の精神状態ですね。さらにおかしいのは「魔性の夏」と同じ場所が写ったこと。ロケで使いやすい場所なんでしょう。

今度は梅安が狙われる番です。相手は昔仕掛けた相手の夫で今回の仕掛の相手でもある武士。今回はやばそうなんですよ。相手が強い。梅安の弱音も出ます。針で刀に向かうのではじめで勝負が決まります。それに失敗。おびえる梅安。そこに援軍が。後に仕掛人に加わる人です。テレビのシリーズでかなあ。

さらに悪党の頭は女なんですが、その女が梅安の昔の女だった、と梅安尽くしです。そういえば映画の中でふぐの薄作りが出てくるんですが梅安が考えたものらしい。冗談はこれくらいで、とにかく梅安ばかり出てくる映画です。あと題名からは意外と感じられませんが、多分当時は有名だったんでしょうが、エロのシーンがサービスカットでかなり入っている映画でした。特にこの映画はそうです。監督がその畑の人なのかなあ。

また梅安は女にだまされて捕まるし、今回の梅安は情けないったらありゃしない。しかし仕掛を頼んだ本人が命がけで梅安を助けてくれます。

そして頭は今回は気乗りがしないから辞めておくというと、子分であり愛人が殺そうとします。しかしそこで頭「お前に頭は務まらないよ、殺したいなら殺してくれ、もう飽きたよ」というのです。そうなると殺せないものです。そしてこの子分が独断で強盗を開始。しかし胡散臭い鍵屋に捕まります。もう仕掛けは始まっているのです。

うまく金蔵の中に閉じ込めて仕掛、そして頭は元の愛人だった梅安が殺す。

そのとき梅安はちょっと足を洗いたい心境になりますが、もう一人の侍のほうは「生きていく以上恨みを買うのは仕方がない、また許せぬやつも多い」と仕掛人になっていくのです。

この映画は最高にいいです。仕掛人シリーズでもトップクラスにいい。なんていったって仕掛人自身が悩んでいる姿が出ているし、それを乗り越えていく人間らしさがとってもいいです。

「ピンポン」曽根文彦監督 2002年

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