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誰が主役ということはないんですが、ほとんど、4人の男女2組の恋の駆け引きがテーマです。違うカップルの男と女がジャーナリストである流行監督(チェコ出身の父(緻密さの記号)とブラジル出身の母(情熱の記号)、の取材に来ているんですが女のほうの友人がこのもう一人のジャーナリストの恋人なんです。ここで二人は待っている間に恋人の話とかしているんですが、女記者のほうはうまく、誘いをかわしているんです。あとから思うとこの美人記者が恋人がいなかったから今回の話は完結するのです、しかしこんな美人がいないなんてと思います。しかし監督がその取材現場のホテルの自室に来るまでに気になる女性が一人いるんです。理由がみんなサインを求めるけど、この女性だけサイン欲しいといわないから監督のほうがサインもらったというんですよ。それをインタビューでいうとインタビューしている女の(役者、サンドリーヌ・キベルラン、私は知りませんでしたが、すごく美人の女優ですよ、この映画ではファッションもいいのですごく引き立ってます。以下Cとします)友達で一緒にインタビューしている男の恋人だったんです。このインタビューも傑作で、監督の才能は2流映画ほど大きい、とか、2部屋予約しているのはなにが起こるかわからないし、もし起こっても自分はベットで一人でないと眠れないという性格だからといいます。かなりいい加減な奴です。パリは演劇がいいから舞台を見たいというと男の恋人の舞台を紹介します。そしてその人気者の自分のサインをもらわなかった女性がその役者だと知るのです。(この映画の女性監督、Bとします)

人気の映画監督(以下Dとします)と舞台が引けたあとデートする約束をしてしまうんですよ。Bは監督にぞっこんになり(ロマンティックなところにですね)恋人の男(以下Aとします)は不倫したと怒りますし、実力派の俳優の自分自身も一目ぼれして、自分が普通の女だと始めて気づくのです。(まさか簡単に恋に落ちるなんて思っていなかったんです。恋人とも長く付き合って結婚していなかったし)

CはAのことを言葉より実際にあなた(B)を幸せにしているのよ、と説得します。まあロマンテックよりも現実重視ですね。

しかし、一晩でDはロンドンに行ってしまいます。まさにBは残されたんです。いわゆる行きずりの恋ですね。それでなければ2部屋同時に予約なんてしません。しかし、その数時間のロマンティックなときを忘れられないでいるのです。そして、ずるいことに恋人とDにラブレターを出します。二股ということです。それを女友達のCが預かりAには渡します。AはDにもどんな内容を送ったか知りたくてたまりません。これはすごくわかる心理です、はい。ほかの男にどんな手紙だしたか知りたいですよね。Cは女友達ですので同姓に不利なことはいたしません。こんなやり取りをしていて気がつく点があります。映画のはじめからCとAが一緒のシーンが多いのです。またBとDの一緒のシーンが多いのです。整理するとAとBが恋人同士、BとCが女友達同士。そこにDが現われただけです。しかし一緒のシーンが違いますね。だんだん見えてきました。やはりBのラブレターを渡したときにCとAは会話が弾みます。そこでAは男としてCについて女は恋人を取り合ったかと思うと、都合が悪くなると女同士は同盟を組むと文句言いますがそのとおりです。しかしCは他人の恋人を横取りにしたりはしません。ここでCに彼氏がいないことが効いてきます。すぐに恋人の彼氏と一緒にはなれません。しかし映画上、話が弾むというか見ていて安定した関係なんです。でもAとBの恋人同士は結婚することになり、家を購入します。この家庭でDは一時の不倫だったとBもどこかあきらめがついたしAも長年の恋人関係を清算して結婚しようとします。そして結婚式当日。どんでん返し。

Cと抜け出して公園に逃げようとやはり土壇場で踏ん切り悪くなります。

しかし音楽とともにDが登場してBをアメリカに連れ去ります。Bも喜んでついていったんですよ。それを知らずに仕方なしの結婚になりそうなAにBがいなくなった経過をCが話すと納得して改めてCに求婚します。CはB=友人を裏切らなくなる状況の下、女友達の元彼氏の求婚を受けて2組めでたしめでたし、となるのです。Cが美人で偉い。彼女がじっと動かなかったのでこの2組はあるべき形に収まったのです。

意外とメルヘンチックな面白い映画ですよ。

 

12/17

「フリークスも人間も」 アレクセイ・バラバノフ監督 1998年 ロシア

 

テニスを再開してかなり疲れたなかで観たので最後まで見ることができるのだろうか?自分自身でも自信なく観たのですが、一気にあいた口がふさがらないまま見終わってしまいました。かなりすごいパワーがある映画です。異常な映画のようですが、それほどではないと思います。

はじめのタイトルバックで流れる音楽は、わかりませんでしたがいい音楽です。この映画の中ではプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」の曲とかすごく効果的に使われているので多分、ロシアの作曲家の曲だと思います。ほかにはワルツ調の曲があるのですがこれは本当にいい曲ですよ。この映画のサントラは出ていればかなり買いだと思います。前に書いた「サンタサングレ」も買いですね。あれもすごくいいです。

とにかく映画は尻たたきの瞬間から始まるのでちょっと唖然とします。どういう意味かわからないのですが西洋では尻たたきは何か意味がありそうです。私の知る限り日本で行われているとは聞かないので、なにか違う文化の何かの象徴だと思います。SM的らしいのですがよくわかりません。

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