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昨日本日と、ライブの映像を2本観たのですが

1本は「うたかた。」平成十五年 及川光博独演会 。これは全体として楽しくできているライブでした。しかしいかんせん、心の中に入ってくる曲がない。テンポやノリで一気に持っていく力は素晴らしい。人気があるからどれだけのものだろうか、と気軽に観たのが良かったかもしれない。しかし会場は女性ばかりですね。

次は椎名林檎、実演ツアー「雙六エクスタシー」日本武道館公演です。これは音楽は好きですね。しかしライブ映像を切って日常の表情が入るのが気に入らない。一気に見せて欲しかった。こちらのライブの方は動きのない対照的なライブですが演奏がうまいならそれでいい。まあまあかな。

ついでに今、車ではピンクフロイドの「THE WALLライブ1980-81」を聞いておりますが、前の2つとも比較にならないほどの完成度です。世界的に良いものは、嫌いなジャンルだとしても魅力あります。実はこのライブが魅力的過ぎたので、日本で人気ある2人、男と女を一人づつ聞いて、観て見たのですがまあ日本国内限定の人たちね、という印象は変わりません。椎名林檎のバックバンドがもっと魅力的ならばねえ。しかし、素直にピンクフロイド、ロジャーウォーターズのライブを買えばよかったとは思いません。やはり初めてのものも観てみるべきでしょう。たぶんチケットは簡単に買えないのでしょうから。

 

「ショーシャンクの空に」 フランク・ダラボン監督 1994年

この映画良いらしいですね。ちょうどまったく映画を見なかったときに、(お店オープンする準備で忙しかった頃です)、公開されて観ないままでした。まったく内容を知りません。刑務所の話だとは知っているのですが、「カッコーの巣の上で」みたいなものですかね。

ある男の冤罪の話です。罪状は妻と浮気の相手殺し。無期懲役なんていわれたら、どんな気持ちでしょうか(Aとします)。1947年の設定です。とにかく入所からホモの連中に目をつけられておかま掘られる寸前の毎日です。このことを黒人の男(B)のナレーションで淡々と語られます。Aは元銀行マンで税知識にも詳しく、看守の遺産相続の面倒も見ます。

そして趣味の鉱石について没頭しようとする毎日です。しかし聖書が身分証明にはなってます。聖書の一節を暗記していて意味が言えること、これは日常的に聖書に親しんでいるということです。Aにはこれがありました。最高の身分証明になってます。さらに金融の専門的知識で、図書係という名目で図書室に隔離して看守たちの相談相手になってます。信託財産の作り方とか相続とか。おかしい。税金の申告時期にわざとこの刑務所で野球大会が開かれることがあるとのこと、こういうエピソードや、50年入所していた人が仮釈放といわれどうしていいのかわからない寂しさを覚えたこと、など楽しく、つらい話が少しずつ起こります。多分時間はかなりゆっくり経過しているので、少しずつ起こっているのでしょう。映画では次のシーンとなりますがねえ。

「心の豊かさを失ってはだめだ」というせりふにすべてがあるんでしょうが、心の豊かさを失わせるような状況が起こっているんですよね。そして図書館を作る過程は面白かったですね。しかし刑務所の人員を使って民間と入札を競って取ってしまうことで民間業者が「俺には養う家族がいる」というせりふは実感します。公共でいろいろとやることはいいのでしょうが、数字を追わない人と生活がかかった人は違います。私は近くに洋館とかあるのですが、あの設備にはかなうわけないですし、そこでコンサートやられると確かに安いです。私のところでコンサートやると手取り赤字になりますから、やりたくないですし洋館のコンサートと同じ気分では決して出来ないことですよ。このせりふはすごく実感しました。

しかしトリックスターが登場して俄然面白くなるのです。ロックンローラーが入ってきます。それを高卒程度に教育しているのですが、ひょんなことから犯人と同じ監獄にいたときにやった犯罪がAの無実を証明するというものでした。この告白というか説明のシーンは熱くなりましたね。体をこみ上げてくるものがありました。しかしその彼が殺されたときは呆然としてしまいました。タバコが落ちた瞬間、仲間が見てくれていたと思った私は甘かった。あいた口がしばらく閉まらなかった。

そして脱獄した瞬間、なんか観ているこちらまで開放感がみなぎります。その後の仕返し。

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