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何かうまくいくというのは、自信があるんでしょう。前半の人と別れるときずいぶん簡単です。戸籍入れてなかったので簡単なんですが女の人も未練はあるんでしょうが簡単に許してくれました。年が16歳違うんですがこれも問題なし。そして両親の許可も「河内音頭」歌ってOK.なんか現代の独身比率がうそみたいな映画です。途中、乙羽さんのインタビューが入るのですがそれも意外と事実だということを示していておかしいですよ。

さらに深い愛情で結ばれているし、女の方もここというところでは芝居打っていて面白い人たちです。恋愛というのはこういうものかもしれません。似ているものは引き合いますね。そしてもと妻も強い。すぐさま籍を入れて養子までもらってしまったんです。それに返すあと妻。ではその養子を子供として私が育てます。女は惚れたらおしまいですね。

しかし魅力的な人でしょう。そうでなければあんなに愛されません。本当に愛されてます。

しかし「裸の島」の前に肝硬変で倒れていたんですね。そのエピソードあたりはこの監督自分の作品ですから詳しいでしょう。あのつらそうな顔は本当につらかったんですね。この映画も地味な映画です。しかし「裸の島」で肝硬変が治ったというのは確かこの映画のときに聴いた記憶がありますが、今こうしてみて見ると運の強い人だと思いました。確かこの頃新藤監督はロケ隊が現地で店と張って自炊で映画作っていたんです。そしてこの映画孤島が舞台ですので酒が飲めなかったのが良かったですね。

続く「母」あたりで映画のせりふですが「男と女の性は人間の根源だ」と言い始めたらしい。みんな観ている映画なので思わず懐かしく見てしまううまさがあります。そして竹中と荻野目の二人が息があっていていいですね。吉田さんは独自にいいです。

「鬼婆」のシーンが出てきますが懐かしいですね。いい映画ですよ。そしてこの映画に戻ると側妻が強い。本妻も強い。これは意地の張り合いと男の優しさでしょうね。

次の「悪党」もいい映画です。最後自害するんですが、なんと言うか哀れさとともに可憐な感じが残る秀作です。といっても最後に見たの何年前か覚えておりません。

まあ殿山さんはお金の使い方がきれいというか、女に好かれる使い方かもしれません。今は男はお金を使わないのが一番いいみたいですが。

68歳くらいからなにか哀愁が出てきて、人生ってなんだろうか?という疑問が浮かんできます。確実に次の世代になっているんですが現役なんですね。その寂しさというか現役だから感じる寂しさがこちらまで伝わってきてつらいですね。癌になって余命半年というときに仕事が立て続けに入ってきます。これは監督の中で周知になったのではないでしょうか?

そしていよいよとなったとき本妻は行かないというのです。強い女ですね。人間もこの意地というものがなくなったら終わりのような感じがします。

冒頭の36歳と17歳の結婚の口説き方が何か思い出されて、臨終というときになにか私も身内のような気持ちにさせられる良い映画でした。途中の新藤監督の全盛期の映画も懐かしかったです。恋愛ドラマとしては上質の話だと思います。

「四月物語」 岩井俊二監督 1998年

この時期になるとこの映画とか篠原監督の「はつ恋」などをどうしても見るのですがまずはこの映画行きましょう。

本当に桜の始まりですね。あの景色は意外とどこにでもあるのでしょうが、すごく旅立ちを考えさせられます。桜=転機なんですね。嫁いでいく花嫁もうまい具合にクロスするし、新入生も通るし、どんな学生生活が待っているのでしょう。いまでは不景気から引越し風景は珍しくないのですが、どんな人が来たのだろうと見ている夫婦がいるのが何かほほえましいですよ。たしか、拓銀、山一、日債銀、三洋証券まとめてつぶれたのこの年でなかったでしたっけ?あのころはどうなるんのかと思いました。しかし今のほうがもっと危ないと思います。政策的に銀行をつぶしに行かないのが今の政府の考えみたいですけど、まあつぶれてもおかしくない所いくらでもありますよね。さらにあの金融政策、かなり頭にきております。話がそれてしまいますが、そんな時期だったんですね。本当に映画が好きな人はこのはじめのシーンでこんなこと考えないでしょうね。私はいろいろと考えてしまった方です。

そしてあいさつ回りに向う三軒両隣りを回るのですが、これも今はしないんですよね。よく近所で、引っ越してきた人挨拶がないケースが増えてきて、「あの人挨拶あった?」と近所の人たちで言い合うのが多くなってます。そして挨拶しない人がマナー守らなかったりするんですよね。この映画ははじめの段階で、どんどん私の気持ちを揺さぶります。感情もですが常識、都会生活の孤独というものをすでに語ってくれているように思えて仕方ないのです。またキャンパスの様子が昔とまったく変わっていなくて、特に北海道から出てきた主人公の女の子(A)は息が詰まるような馴れ馴れしさと、どこか距離がある、深い孤独を無意識に感じていたのではないでしょうか。自転車のシーンがすごく開放的に映ります。しかし映画館にはじめての日曜日に行くか?とも思うのですが見ている映画は多分、この監督のオリジナルの時代劇。大学一年生の女の子が時代劇というのもねえ。さらにこの時代劇、めちゃくちゃな内容でまるで「角川映画」です。

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