今思ったのですが、渡辺典子は誰もがあの子に似ているなあ、と思い浮かべることが出来る女の子ではないでしょうか?実際に私も、ある人に似ていると思っていてその人は美人だったんだあ、なんて美的感覚のないことを思いながら見てました。さらに男の太川陽介も友人に似ていると思いました。そんな平凡な感じの中、せりふがたどたどしい、俳優がたくさん出てきますし、なんというか渡辺典子にいたっては間違えそうなところをわざと狙って撮っている感じもします。内容はかなり昔の人しかわからないようなせりふも多いので、今の若い人はわからないかもしれませんし、どっってことはない内容です。殺人事件が犯人は誰か、これがのほほんとして捜査も進み、誰も怖くなく、進行していくだけですね。しかしこの主役のふたりの魅力は今になって気づきました。かわいいし、男は素直でいいですよ。見ていてかわいいふたりです。あと意外といいテンポで、冗談ぽく進行するので本当に気楽に楽しめます。出ている役者は二世代前ですので今とはかなり違い人ばかりですね。そんなところも面白い比較です。この監督はかなり角川映画という枠で使える俳優もかなり選べて、自由に撮った印象があります。音楽は宇崎竜童ですがさすがにこの歌は聞いたことのある歌でした。角川映画は最近投売りに近い値段で売っているのでかなり買って観ているのですが、昔の俳優と今まだ活躍している人たちがごった煮で面白い位置づけですね。ちょうど邦画が停滞していたのかな。この数年後に塚本監督も出てきますよね。このころ「電信小僧」撮っていたのかなあと思うと面白いことです。のちにこの監督は俳優として塚本監督の「バレット・バレエ」に出ているんですよ。次にこれ観たくなったなあ。
最後に犯人は想像しませんでした。ミステリーだったんですね。面白かったなあ。ETのパクリも今となっては何も感じません。当時は批判受けてそうですね。しかしPCは20年前は古かったですね。あそこで道を間違えていなければ、日本企業はかなり支配力があったと思います。半導体でインテルに負けるなんてこのときは想像もしなかったです。時代を感じさせてくれました。
「ピラニア」ジョー・ダンテ監督 1978年 アメリカ
最近、まったく見なかったジャンルのホラー映画にはまってます。なんといっても短くて気軽なのがいいですね。このタイプの映画は間違っても2時間越えません。ジョーズとかエクソシストみたいな大作は超えているかもしれませんが、この映画も90分。
そしてなんといってもわかりやすい。キャンプに出かけてカップルが地図にない施設を見つけて入ってしまった。そうしたらプールがあって泳ごうとなる。そこに、この映画の題名の魚が。笑うくらいにわかりやすい。ここまで2分くらいです。
そして捜索の依頼、その探偵がまた女と来ているからわかりやすい。そして強引に男と出会う。笑っちゃいます。第二のカップル誕生。そして真相解明です。あの立ち入り禁止は軍の施設で今は使われていないものでした。入ってみるとやはり死んだ女の痕跡が。だってあの俳優ちょっとしか出ないのですが強引に脱いで泳いでいましたもん。何か落としてもおかしくないです。そして施設の中に入っていくと、驚きます。なにがってかわいい動くミニ恐竜がいるのです。特撮なんでしょうがCGではない時代ですよね。これは期待以上のかわいい動物です。そして怪しいので、プールの水を抜こうとすると怪しい男が襲い掛かってきます。てっきり怪しいやつがいたと思ったら、事実を知っている人間だったのです。しかし二人にやられて、失神している間にプールの水が抜かれます。死体とたくさんのピラニアが出てくると思ったら死体だけ。水は川に流れるようになっていたのです。期待を裏切ったと思ったら期待通りに戻ったり揺らぎがあって最終的な結論に向かう本当に楽しい映画です。見ているものは次にどうなるのか、と予想しながら見るんですよね。だから気軽なんでしょう。頭まるっきり使わない映画です。このタイプの映画というのは疲れたときにいいですね。川があって移動に筏というので「ハックルベリーフィン」と同じだと思っているとせりふでも期待通りに出てくるんですね。
しかし、どきどきしながら見ていたんですが、やはり子供も襲われました。実は子供が襲われそうな前フリはあったんですが子供が犠牲になる映画はよくないと思っていたのです。でもこの時代はまだよかったみたいですね。今じゃやばいでしょう。塩水でも生きていけるピラニアだったので海を目指して広がって行きます。まあもともと武器として作っているんで死なすことが難しいのです。まあ廃液を使って全滅させたということになってますが、海に出たピラニアもいるのでしょう、という暗示で終わります。なにかご都合主義的な感じもしますが、はじめにプールの水を抜いた女は自責の念はないのでしょうか?そこが知りたいです。
「HEAVEN」 トム・ティクヴァ監督 最近観た映画で一番良いです。何がって、ケイト・ブランシェットの存在感がすごいです。ポスターで気に入り、ジャケットで気に入り、内容も気に入るということはそれほど多くないのですがすべてを満たしてくれる私好みの映画でした。とにかく、冒頭の爆弾を持って街を闊歩するケイトの服装、雰囲気すべていいんですよ。「エリザベス」の時からかなり気に入りましたが、今回で私は好きな女優はケイトとはっきり断言できるようになりました。裏話があるのですが、「エリザベス」の時、英国人とテニスをしていて休憩のときに「エリザベス」見た?と聞いたことがあるのですが、そのとき「誰がエリザベス演じているの?」と聞かれたことがありました。「ケイト」と答えると「キュートだ」と返事されて、私は「そうかなあ、キュートかなあ?演技はうまいけどあんまり魅力ないような感じがする」と心の中で思っていました。しかし映画「エリザベス」はここ数年のベストの作品です。そして「vanity fair」の映画のスナップ特集でケイトの写真を見たのですが、なんと威風堂々としているのです。このころから私のケイトに対する見方が変わってきて今回打ちのめされました。内容は男の一目惚れと純愛、女の復讐と罪の償いと愛の芽生え、そして文字通りへブンで結ばれるのでしょう、という単純な内容です。ストーリー展開でちょっと強引なところがあるのですが、映画ですし、そんなところは目を瞑って二人の「愛」に浸りましょう。男の瞬間の一目惚れ、こういう状況がとても良いんですよ。本当に心の本質がうち響く瞬間というのがあるんです。それに対して女性のほうは「罪の意識」と「復讐の未完」とで気持ちがずたずたになるんですね。しかし男の愛情と信頼で二人して逃亡生活の賭けに出て復讐は達成されるのです。この時点で女は生きていく必要性はもうないのですが、男の愛情からうまく罪の償いができないのです。そして逃げているうちに、また愛するということを、思い出していくんですね。この辺の描写が、もうとってもいいんです。なんというか二人で逃げているシーンなんか青春真っ只中という感じで二人の距離感が素晴らしい。深く入り込んでいないんですがとても信頼しあっているんですよ。しかし二人とも瞬間に燃え上がった愛としても長く続かないことは承知なんですね。最後の方で女の友人の家に逃げ込んで、ちょっとしたつかの間に二人は結ばれるのですが、そのあとに永遠の旅立ちをして幕が閉じるのですが、終ってもしばらく呆然としておりました。燃え上がる恋の素晴らしさもそうですが、二人とも犯罪を犯しているのですが、表面では追っ手となるんですがもっと悪い奴らが出てくるんですね。それらの人に比べてこの二人は本当にピュアなんです。そこがこの作品を魅力的にしているんです。「この人と思ったら、突っ走る勇気」に乾杯したい気分です。本当に良い映画でした。
「北京バイオリン」 チェン・カイコー監督 2002年
予告編がよくって観てしまいました。
演技は下手です。話もありきたりで、わかっているような内容ですが、観てしまう魅力があるんです。父(A)はコック(職人というのはポイントが高い)で子供(B)が13歳のバイオリンの好きな男の子。