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しかし熊本へ精密検査に出かけるときその蘇りをした3人が一定地域から出ると消えてしまうのです。そして、生きている人間の下へ現れるんです。誰の元へかは、その人の思いの強さです。そして現世の人間を励ますのです。基本的に蘇った連中は死んだ瞬間を覚えているので、何でも人に施しをできる余裕があるのですよ。ここでありがちな展開をします。Aは実は死んでいたんです。ではどうして映画のはじめから出ていたのか?Bの思いが蘇らせたのです。その蘇ったAは平気でBを裏切るようなことをしていたのです。ではまったく蘇らせた人に施しをAはしないのでしょうか?しないわけないです。映画になりません。しかし次々に死んだ瞬間を思い出していきます。本人たちは一度死んでいるので動揺はしないのですが、周りが思いがあっただけに、動揺します。Aは施しをしなかったのは死んだ記憶がなかったためでした。(寝ていて事故に巻き込まれてしまったのです)しかしBにはチャンスがありました。それは子供が預言者で明日の夕方みんな消えると教えてくれたのです。Bは本心を打ち明けるチャンスをもらったようなものです。多分ここでAも理解してくれるでしょう。RUIというシンガーが何かのきっかけに絡みますね。はじめからずっとキーポイントで歌が流れてます。コンサートのシーンから地味に本当に地味ですがグーと盛り上がってきます。感じる人には感じる素晴らしい盛り上がり方です。歌手(メンバー)もまた蘇りでした。そしてAの会いたい人もBでした。ですからこの蘇りを利用してコンサートが開かれるわけです。そして主役の二人の再会。ここでお互いの心が解け合います。愛という形で永遠に重なり合うのです。

「たとえ、1分でも自分の本当に愛した人と心が通じあえたなら私は自分の人生を幸せだと思える。その思いが私にある限り私は前を向いて生きていくことができる」これがテーマです。

 

「ラストエンペラー」ベルナルト・ベルトリッチ監督 1987年 イタリア英国中国

この監督のオリエント3部作の一番初めですね。意外と映画としてはこの3本とも評価が高いのですが、すべて表面的だ言う意見が多いようです。

どうなんでしょうか?私は感動している方なんですが、「シェルタリングスカイ」は原作者のほうについての映画を見てしまうとそうなのかな、と思います。話は戻りますがこの映画は、何か最近観た映画のテーマとかなりダブルのですが、「人間の条件」「ドクトルジバコ」などです。そういった意味では中国の逆側の風景だと思ってみると、今回は興味を持ってみることが出来ました。ロシアと清は搾取するだけの大国であって倒す価値があったのでしょうか?何故これらの国で、ほかに君主がいた国もあるというのに革命が起こったのでしょう?ロシアの辺境地は中国と接していますし、情報の交換や啓蒙があったのだと思います。しかし共和国となる過程と紫禁城の中にだけ存在できた理由などがあまり表現されていなくて、ちょっと拍子抜けします。象徴として存在していたということですが、実は私は中国の歴史は詳しくないので、そうなんでしょう。しかし子供のときに仏陀と同じような境遇にあったことは事実です。世間を見させてくれなかったという環境です。とにかく、この紫禁城のシーンは私にはつまらないシーンで、すごく興味があるのは溥儀が捕まった後拘束されてからです。なぜならば、違う名目の権力が裁こうとしているからです。ほとんど映画化されておりませんが、スターリン時代、毛沢東時代の両国内の状況を暴露したような映画はないのでしょうか?そのほうが興味あります。

途中「紫禁城は観客のいない劇場、そして熱演は今も上映されている」というような言葉があったと思うのですが、これがぴったり私の気持ちの表現に当てはまりました。なにか過去の遺物を何故残してあるのだろう、とはじめから思っていたのでしょう。これに気がつかないでおかしいと思っていました。すっきりしたのは、ジョンローンとジョアンチェーンのラブシーンからです。この辺の苦悩と夫婦の癒しがうまく表現されていると思います。いつこの奥さんと別れるんでしょうね。その前に共和国制がが崩壊するみたいですね。満州出身の溥儀は紫禁城から追い出しをくう。そして日本との接触が始まるみたいです。この映画昔は興味なかったんです。このような背景まったく考えないで観てました。1924年に共産軍が生まれていたのか?違います。蒋介石の国民党ですね。国民党が西太后および溥儀の祖先の墓を暴いたのも大きかったみたいです。しかし天津にそして1927年日本(日本大使館)に向かったというのはすごく興味があります。どんな背景があるのだろうか。日本もこのころは「帝都物語」ではないですが、関東大震災の頃ですよね。そしてジョンストンという家庭教師が1931年まで天津に滞在していたんですね。この辺の描写は映画では甘いので、深く理解は出来ないですし、劇的な描写もありません。

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