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1934年に満州国の皇帝?に。満州事変より前なんですね。知らなかった、で済まされる内容かな。そして日本の植民地化へ。このとき、映画では甘粕の一連の行動、完璧です。日本こういう感じで他国を攻めるタイプの国ではないので、もしかしてこの人物はかなり優秀かもしれません。しかし大局では、満州に進出と南アジア同時に進撃という馬鹿なことをしたことになります。陸軍と海軍が別れたから仕方ないのでしょうが、満州のみに固執していればずいぶんと変わったことでしょう。その前に侵略戦争を否定しなければなりません。このころ梶上等兵も満州にいたことになりますし、「帝都物語」の加藤に代わるものが帝都を支配したことになるのでしょう。映画って類は類を呼ぶ感じで面白く拝見しております。しかし途中、南京大虐殺が出てくるのですが、これは事実なんでしょうか?よくわからないんですが、日本の国民性からして虐殺が出来るとは思えないのですが、本当にこの規模であったんでしょうか。そして第2次世界大戦の日付が一日前になってます。もうこういうのどうでもいい。そして原爆、昭和天皇のお言葉。日本をテーマにしていないからいいのでしょうが、やはりイタリア人が作ったとしか思えない感じがします。この監督を馬鹿にするわけではないですが、「シェルタリングスカイ」でもボウルズ、バロウズにけちょんけちょんに言われたのが判る気がします。彼らはすごかった、「早くイタリアに帰りたかったんじゃないか」なんて言ってましたね。この言葉わかる気がする。この監督はやはり甘いというかロマンティックすぎる。小林監督のほうが数段上です。「東京裁判」「人間の条件」込みで観るとぜんぜんレベルが違います。それでもアカデミー賞かなりとっているんですよね。まあいいか。その程度の映画です。最後のほうなんか甘くて甘くて観ていられないです。

そして文化大革命を見る元皇帝。裁判を取り仕切った男が捕まってます。毛沢東の名の下に馬鹿な革命が起こってます。中国の歴史はこの辺描けないでしょうか。絶対に面白い。なにせこの映画が出来た頃はまだ天安門事件の頃ですから。笑い。

「LOVE/JUICE(ラブジュース)」 新藤風監督 2000年

あまり言うことない映画です。

画像もあまりきれいではないし、生活観がにじみ出ていて、画面がにおってきそうな感じは良いと思うのですが、女の子ふたりのポジションがあいまいです。

この子達はどうして一緒に生活するようになったのでしょう?それが判らない。どちらかが根を張った生活に目覚めたとき別れるのでしょうが、まあお互い不便なく生活できるのでそのままというか、寂しさを感じないで済むから一緒という感じです。

この映画を見ていて思ったのは、孤独なんだなあ、ということ。見ていてつらいんですよ。でもこんな女の子はいくらでもいるでしょうし、男はなんか彼女がいなくても違う感じになるような気がします。男同士一緒に住むということはあるのか良く知りませんが、女の子の怠惰な感じは良く出ています。でもあの金魚屋の男もおかしいよね。あれだけ積極的にアプローチしているのに無視していていいのだろうか?

かなり期待してみた割には、つまらないかな。

しかし実際の女の子を表現はしていると思います。男は意外と女に過大な期待をかけるから外れるのであって、このような子達が普通だと思います。縁側で絵を描いたり、金魚飼ったりしてます。

レズの子の方の性的衝動の強さはなにに起因するのかは知りたかったです。孤独なんですが、それがいろいろなところで描写されます。なにかこの子は自殺するタイプですよ。

レズではない子の男友達が遊びに来たとき部屋に入れないで返したのですがそれで二人の関係がおかしくなります。しかしその男にレズのほうが犯されます。男のほうはレズの女のほうに興味があったのです。ふてくされる女と犯されたレズどちらもいい思いはしていないのですが、レズのほうは黙っていますけど、出て行きます。別れてみて気づく愛情、友情なんですがこのふたりも別れて気がつきます。そしてけじめ。「ずっと一緒にいたらほかの人を好きになれない」とレズ。まあその通りです。早く別れなさい。しかし思い出は残るよ、というところで終わり。

 

奥野ミカという子がレズの役ですがこの名前聞いたことあるんですよ、有名な子なんですかね?藤村ちかという子がもうひとりの役ですがこの子もいい子です。

 

「リゴレット」 ヴェローナのアレーナでのオペラ祭 演出カルロ・リッツアーニ ビデオ監督ブライアン・ラージ 1981年 イタリア

 

このオペラのよさはなんといってもテーマにもかかわらず曲のよさです。なんとも良い曲ばかり並んでいることでしょうか。もうはじめから素晴らしい。特にマントヴァ公爵邸の「どれもこれも私にとってそこらの女と同じ」から「チェブラーノ殿よ、まさかお怒り?」まで一気に、管弦のリズムと抑揚が本当に素晴らしい。はじめから釘付けになりますね。内容は破廉恥さわぎとせむし男が出てくるとはまったく思えないメロディです。まずはリゴレットがよいです。(バリトン、ガルビス・ボヤージアン)。

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