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映画の中で、ファニー・アルダンの方ですが、マリア・カラスの役を演じているのですが、そのカラスが若い俳優が楽屋に訪ねてきたときに思わずキスをしてしまうシーンは良いですねえ。ファニー・アルダンの演技は素晴らしいですよ。ここでね、カルメンと逆のことが起こるのです。この辺はこの映画のいいところで、ドン・ホセ役の男の俳優が先ほどの若い俳優です。

次は「椿姫」ヴィオレッタ役とこの映画でのカラスがそっくりなので問題ないでしょう。

その哀れな娼婦の雰囲気を打破したいと、「椿姫」はやめて「トスカ」(最高ですね)で間バックしたいと考え始めます。前向き思考になりました。よく考えると、カルメンとトスカですか、すごい情熱的な役ばかりですね。この2つは歌がうまいだけではなく、存在感すべてが演技に要求されます。本当に適任なんてそう簡単に出ない役ばかりですよね。さらにトスカに関しては彼女自身名演を残してます。大丈夫でしょうか?と私も思ったくらいですのでやめましたね。そして程なくの死。まあドラマとしては出来がいいと思います。

現実に観客は、どんな人生だったかは事実としては知っているので再構築は難しかったと思います。しかし、あまり書きたいと思うことはないのですが、観ていて時間がたつのが早かったことは事実です。難しい構成だと思いますが、うまい編集でした。

5/12

「新宿黒社会チャイナ・マフィア戦争」三池崇史監督 1995年

この映画は初期の作品ですが、逆に私は好きな方の作品です。「フルメタル極道」とともに良いですよ。しかしまったく人には薦められない映画です。麻薬、ホモ、殺し、何でもあります。目玉くりぬきもね。

まあはじめに歌舞伎町で中国人がらみの殺人事件が起こります。これが首を切られて死んでいるのです。まあ最近見る映画で首を切るシーンが多いこと。何か異常です。しかしこの映画ですでに9年前の作品なんですよ。この監督の作品を見るときいつも思うんですが、この監督は横浜の映画学校出身なので慣れているのでしょうが、これだけ中国人と日常的に接する町は日本でも少ないと思うのですが、日本の田舎とかでもこういう映画は受け入れられるんでしょうか?やはり旅行していて感じるのですが、外国人とかが少ない町の方が多いですよ。ましてや犯罪が絡む外国人がうちの近くには多いので、なんともなく見ることができるのですけどね。

それを追う刑事A(椎名)、逃げる謎のがきBの関係がまあ中心かも、という程度です。しかしまあ、タイトルが出るまでがすごければタイトルが出るところもすごい。女を椅子で叩きのめしますもん。こういう映画良く作れるなあ。この刑事が暴力団とつるんでいる。というか金を受け取っている。そして中国残留孤児で中国人に育てられたのです。よって両親は中国人。そして弟がいて弁護士。映画ではグレて兄貴に反発します。この辺のセンスは私は大嫌いなので観ていながら、兄弟協力しろよ、と心の中でいつも叫んでます。

さあ、簡単な流れ。日本の暴力団がいます。そして台湾から流れてきたチャイナ・マフィアというか愚連隊がいます。彼らは故郷に病院を作って臓器売買をしてます。そして刑事が中国系なのでわかりにくいと思いますけど、チャイナ・マフィアも王道とこの愚連隊とに別れること、さらに日本の暴力団もいくつか絡んでいることを除けば簡単なストーリーです。なんとなく中華街を浮かべると簡単にわかるんですけど。笑い。この暴力団から金もらっているからAは愚連隊を掃除したいという気持ちと弟をこいつらから放したいという気持ちで意地の捜査をします。

Aは台湾に不法滞在者の強制送還のために向かいますが、これは映画として面白くするためでしょう。まあ上司の情けで言外に調べてこいという事はあるんですが。そして実際に行くと周りの村は疲弊して薬物中毒患者ばかりです。それで子供の臓器を売ってしまうというモラルハザードが起こるのです。結構この監督このころは問題提起が多くて、この映画だけでも生体間臓器移植、中国残留孤児と天皇の戦争責任(Aと弟の名前、天皇の名前に近い)などをちらつかせております。答えは出さないところがずるいけどね。

映画に戻りますが愚連隊(映画では王一味)とAにかね出していた日本の暴力団の取引が成立してAはいらなくなってしまった。

あとはピンチも切り抜け、弟を両親の元に返し、愚連隊の大将を殺して終わり。この映画は上で書いた複雑な組織の関係は意外と単純なままに終わりました。日本の暴力団とチャイニーズしか出てこなかったですね。

そしてAもいつかは殺されてしまう。このように一作目は気持ちが入り込みすぎていて実にまとまりが良いです。しかし決してひとに薦めません。

5/13

 

「オーロラの彼方へ」 グレゴリー・ホブリット監督 2000年

かなり前に観た記憶があるのですが、まだ2000年の映画なんですね。廉価版が出ました。ラッキー。

ナイチンゲール殺人事件、これだけなら面白くないので、オーロラを兼ねます。それは道具として過去と現在とつなぐ役割をします。そして父と息子をつなぎます。運命も変えるのですよね。何かてんこ盛りです。

1969年10月10日が「ヒートウェーブ」で始まります。この歌オリジナルは誰なんでしょう?声はリンダ・ロンシュタットみたいですけど。エルビスが好きな旦那は(Aとします)「サスピシャス・マインド」をLPでかけます。いい曲ばかりですよね。そしてハム無線(これも「コンタクト」以来2回目ですよね)で現在とか遠い地域と無線がつながってしまいます。

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