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「かんだにっしょう」という画家のふるさとみたいです。美術館があります。すごいすいてそうな美術館です。この画家も何か意味あるのでしょう。Aの子供のときの思い出の絵でもあるみたいです。そしてBがAに「ここには帰ってきたの、それとも逃げてきたの」と聞きますが「わからない」。なんとなくこの気持ちはわかります。「東京では夕日なんて忘れて生活できたもん」という言葉のあとの答えです。

まあ昔この二人は何かの過ちがあったのでしょう。多分不倫。

まあしかしそれを忘れてサルサを友人の結婚式で踊ろうとAはBを誘います。このサルサ見ものです。コンクールで入賞しているのですごいものなんですが、それはすごいものです。場末のバーみたい。

BはAに間接的に求婚しますがAはたぶん昔のことがあり、「そば」を打ち続けています。Bは相手にされません。そのとき、そばの厨房でそば粉をBがひっくり返して「そんなことやめて」と狂ったようになるのですが、本当に見境がなくなったのでしょう。この頭に来たときの動作というものがありますが、間違っても私は粉をひっくり返すようなことはしません。なぜならば、掃除が大変だからです。Bは飲食業に向いていないですね。同じことをBはAに言われます。

ほかに並行して若いカップルが出てくるのですがこちらも、めんどくさい関係。2つとももっとはっきりしろよ、といいたい。いじいじしているな。

さて友人の結婚式です。祝辞もダサい、次の「てんとう虫のサンバ」はこれはサルサの踊りを引き立てるためにこんなにひどいものにしたのでしょう。Bは結局会場に来ました。

サルサを二人で踊るんですが、ここまで下手なら、瞬間きめのポーズのコマドリしてつぎはぎでよかったと思います。下手に長回しされるから見ているほうが恥ずかしくなってしまう。

しかし、最後に美術館でBの方からAに抱きついて「またいつか会えるよね」というせりふは妙にいいなあ。もしかしてここ狙っているのでしょうか?そうしたら大成功です。このシーンは秀逸ですもん。

さて大団円。床屋の娘の前を通ったら髪を切ることに。この娘は、若いカップルのほうです。また、俳優は中村麻美といいまして「富江」の嫌がらせをされる方の女の子の役をやった子です。一番輝いてました。そしてこの映画では田舎に残ることにしたのでしょう。この辺はあいまいですが、どっちでもいいですよ。

問題は、ABですがBはまた立ち去ることに。ここに来たことは意味があったのでしょうか?

もちろんあったのです。そして次のステップに進めばいいのです。思い出すかどうかは性格でしょうね。多分、ABともに思い出すタイプです。まじめな映画だなあ。

5/19

 

「バージン・ブルース」 藤田敏八監督 1974年

この映画見た記憶がないです。しかし最近この年代から80年くらいまでの映画をよく観てますね。当時は洋画しか見てませんでした。音楽がミッキー吉野、タケカワユキヒデというのも知りませんでしたし、三井銀行が存在してます。かすかな記憶ですよ。三井銀行だけの看板というのは珍しいです。長門さんも先日の「丹下左膳」でお父さんを見たばかりです。あの弟の道場主を演じていたのが長門さんと津川さんのお父様ですよ。

また場所は幡ヶ谷近辺ですが、30年前なら記憶があるので街並みとか懐かしいものがあります、というような年になってしまいました。そして主役は女子予備校生A。長門さんは脱サラのラーメン屋のご主人(Cとします)。たまたまAの友人Bと一緒にスーパーから逃げ回ったときCと出会います。そしてハンバーガー屋に連れて行ってもらいます。たしかこのころ、マクドナルドが日本に入ってきたと思いますのでまだこういう商売もあったデすし、携帯とかないので日常的に喫茶店とかでお金使っていた時代です。あと本もよく買いましたね。

まあCも借金取りに追われて逃げていたので、Cの家に逃げるわけには行かず、寮の前にいると近くのラーメン屋の出前持ちに出会います。その男Dのところに逃げ込みます。Dが3畳一間の屋根裏で、部屋の中のポスターとか時代を感じるとともに、風呂にも入らないで寝ることができるのはこの時代の人なんです。いまはシャワーとか浴びないと気持ち悪いと私でさえ思うようになりました。Dは働いているところの出前ごまかして二人に食べ物持ってくるしABがスーパーから逃げたのは万引き見つかったからだし、Cは妻に働かせて借金取りから逃げながらも女を買うし、「お前ら、まじめになれよ」とさすがに画面に向かって言いました。みんないい加減すぎる。ラーメン屋とかばれないですかね。うちみたいに少量のケーキしか作らないとすぐにわかるんですけどねえ。

ABは仕方なくCを頼って田舎に帰るから金貸してというと一緒に行くというのです。Aの実家が農家ということで山を安く売ってもらおうとするのです。まあどうあれ、ロードムービーの始まりです。この辺から面白くなりそうですよ。このロードムービーすごいのは映画の中でABの写真撮ろうとする若者が写っているということです。予備校生を電車が着くの待って写真撮らないよね。結構町歩いている人の視線とか、完全なロケですね。監督までエキストラで出てます。

実家には警察から連絡があり、それを先に探りに来たCは聞き出してAが実家の敷居をまたげなくなります。またまた面白くなりますね。岡山周辺の案内でもしてもらいましょう。幸い岡山県は一度しかそれもツアーでしか行ったことがありません。それも、やったあ、「倉敷」行ってみたいところです。ラッキー。30年前の景色が見れる。すげえ、多分「大原美術館」の中庭で野坂昭如の歌が聞ける、という特典つきです。いいなあ。

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