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Bのほうは実家で座敷牢です。岡山って岡山出身のやつによく聞くんですが田舎なんですよね。私のイメージでは神戸、姫路に近いと思うんですがやはり遠いみたいですね。

まあ倉敷のほうに戻ってAはいとこと称する昔の男(Aがバージンをささげたみたい)に会いますがこの男、ストリップ劇場を中心にメッセージを発信したがって劇団みたいなものを作っているんです。次の発信メッセージは「自動販売機でものを買わないでください」、私には大うけしました。「お金を入れると物が出てくる、これは人間を堕落させる」という論理みたい。こういう人今でもいますかね?そこにCがAの「バージンを守る」といって仲を割って入るのですが、実は、Aは、という感じでCだけが浮いてしまいます。

Cは結構まじめなんです。ここでAもCとともにまた出てしまうのですが、下津井城あとなんていいですねえ。このへんで金子が切れてきます。旅も終わりかな。Bは捕まります。その晩ACは激しく抱き合います。何かいているのかわからないかもしれませんが、先がない二人が刹那的なたびをして、その場限りを楽しく、危うく生きているとこんな感じになるのかというのはわかります。長門裕之さん 秋吉久美子さん二人はお似合いの役でした。この二人だから面白い映画になったと思います。こんなに面白いと思わなかった。すごく得した気分です。

5/20

「寒椿(かんつばき)」降旗康男監督 

昭和初期の祇園からスタート。何か復習みたいですね。最近この時代の映画ばかり観ております。すぐに高知。何でこの映画観ているかというと、高知に行きたいな、と思っているからなんです。しかし主役、西田さん、始めてみる感じ。「釣り馬鹿」を観ないので意外と縁のない俳優です。

うん、西日本一といわれる「ようき楼(すみません当て字にしておきます)」に芸妓を紹介していた(Aとします)男の話みたいです。面白そう。小奴(Bとします)は松崎という桶屋に預けられます。この町並みきれいです。高知ではないのかもしれませんがいいところです。セットも多用されてますけどね。

Aと離婚したく実家に帰っている妻と子供を追いかけて妻の実家に行って子供(Zとします)だけ連れ戻します。これ男の子なんで跡取りなんですよ。

まあ、話が進むとすると東京から金持ちが来て(金貸し)毎日毎晩宴会してどうしようにも手がつけられない状態になっているんですが、静かにしてくれと行くと拳銃突きつけられるけどひるまないでいると、こいつらは出て行きます。

次の問題は、役人が借金して娘を形に差し出してきたんで、それをAが受けるのです。この娘Dはバスの車掌をしていたのですが父親の借金で売られるわけです。まあこのようにエピソードが列挙されているわけですが登場人物の紹介を兼ねているのです。結局、「ようき楼」がDを受けてくれたので、かなり安心できるのです。そのときAの過去の話をDは聞かされるのですが、Aは昔はどうしようもないばくち打ちだったんですが、ほれた女ができてきれいに足を洗ったらしい。こういう話って私は好きなんです。それでDは芸子の修行をさせられるのです。その練習風景は「女はバス停で服を着替えた」のサルサよりぜんぜんうまいですよ。これは良いです。しかしDの俳優の立ち位置が高いのでひょんな印象を受けてしまうのが欠点ですね。小さくまとめるといい踊りができます。

まあ時代は公職選挙法が選挙権者を一挙に増やして、選挙の行方が見えなくなっており、そこに二つの陣営にやくざが絡んでくるのです。ひとつはAとつながりの深い「どめき」親分。もうひとつは先ほど「ようき楼」で馬鹿騒ぎしていた金貸し(Fとします)。

水面下では選挙に向けて動いているのですが、映像は郷土相撲です。このシーンはいいですよ。とにもかくにもFの元に世話になっている元相撲取りがDをとにかく好きでいろいろな事件や、シーンとなるのですが、なかなかDは気がつきません。DはそれよりAのことが好きみたいで、そのために公職選挙に立候補した二人から同時に身請けの話があってもどちらかに決めかねているのです。Fの肩入れしているほうでないほうにDの身請けが決定しました。Fも選挙運動しているといいながら何もしていないんですがね。勝ったらがんばりました、というタイプです。このFの元にいてDを好きな男(G)は金を借りてでも身請けしたいと言い出します。選挙結果は大体見えているんですが、どうなるんでしょう。政党の名前で実はわかるんです。これは現実の歴史なんで。はい。

まあ二つの政党の立候補者の影でお土産を盗みそれを自分の支持者や相手方の支持者に配るということは行われます。

その裏で「ようき楼」に近い政党の息子というか立候補者は不祥事をしてカツGにDを持っていかれます。Gの単独行動なんですが、Fはそれをも利用します。関係ないと言い張り、両陣営がGDを探し回ります。ここで関係ないのですがGのことを好きな女がいるのですがこれは裏切られた形ですけどかわいい俳優なんですよ。Dより良いかもしれないなあ。

先にFがGDを抑えるところがいい。そしてAが引き取りに来るのですが「Dの不心でご迷惑をかけ」といってGを説得してDを引き受けに向かいます。このことはひとつ示唆に富んでいてこういう相手の気持ちで納得できる理由を考えて説得に向かうということが重要ですし効果があるということを示してます。私も商売上いい勉強になりました。

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