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展開は川の上流から違う部族の遺体が流れてくる。そのため調査に行くと原住民には受け入れられるけどオランダ領から逃げて銀山の採掘をして一儲けしようとするやつらに出くわす。これらをこの近くの原住民に知らせて森を壊すやつらがいるというととりあえず退治してはくれるんですよ。この辺で一生の愛を誓ってどこかで生きていこうと思い始めるんですが、このように何かが起こっても愛の方向に進むだけで何も変化なし。さらに英国のベースの模様が映るんですが、ここもあいも変わらず、娘がどうしたとか、ここは住むところではないとか、そんなことばかりで行ったり来たりの内容です。そして障害は英国人も現地人もともにどちらも英国の女、現地の男から相手を探せというのです。

そしてお互いにあきらめて、英国の娘とロンドンで結婚します。「しきたり」ということですが、Bも日本が攻めていったとき生きていたのでしょうかね。この映画には戦争の影があまり反映されておりません。ここで映画的なのですが、結婚後もまた以前の仕事を完遂させたいとインドネシアに戻ります。本当に新しい生活を始めるのなら違うところに行くべきです。この辺はいらいらしました。予想通り、Bを探してばかりいて、子供抱いた姿を見つけると回りに僕の子供か?と聞いて歩きます。そして、また会いたいと。馬鹿か。

そのため、Bの今の夫が嫉妬で襲ってきます。そのためAを襲った罪で死刑にしなければなりません。ここでひとつの事実が明らかになるのですが、BはAの上司のやはり「スリーピング・ディクショナリー」との間の子供だったのです。ということはAの上司とAの子供は血がつながっているのです。そして死刑の判決は出しましたが、犯人を逃がします。そのときBと一緒に逃げようと。人生捨てました。

しかしAの英国の妻との間にも子供ができてますし、お互い約束の時間に間に合わないようなことが起こるのです。すれ違い。そして追っ手。一緒になったと思ったら、捕まりそうになる、そこを原住民が助けてくれる。多分そのあともずっと彼らと一緒の生活という終わりです。さすがに見え見えの話なんで退屈はします。しかし良い話ですよね。

 

「ムルデカ 17805」藤由紀夫監督 2001年

まあ前に見た映画が「スリーピング・ディクショナリー」なので流れからして当然ですよね。ほんの数年後の同じような地域のことです。出てくる人物像がまったく違ったりしてね。1942年3月1日のオランダ領ジャワ島。きわどいですね。オランダ領でした。ABCDのうちの2カ国ですね。英国とオランダ。し8かしね。「東から黄色い人がやってきて、島を幸福にしてくれる」という伝説があるといって日本兵に近づいてお辞儀する様子はさすがに宣伝映画っぽい。単独でこの映画見ればよかったかもしれない。確かにこの映画は少し偏っていると聞いてはいましたがねえ。あと、最近戦争映画ばかり見ているので、しゃべり方やらしぐさすべてがおかしい映画です。「これ、ちょっと」という気持ちが出てしまいます。たとえば、オランダ軍司令部に単独で中尉Aが乗り込んでいくのですが「お前が軍人だとなぜわかる?」と聞かれ、「この軍刀にかけて信じてもらう」というような趣旨言うのですが、「戦艦大和」とか「人間の条件」とかにこんな兵隊は出てきませんでした。これらの映画の監督は実際に戦争へ行っているんですがこの監督はどうなんでしょうね?それより「東宝」のマークがはじめに出たのですが、東宝はご存知のように労使問題で映画が作れないときに、黒澤監督とか大映や松竹で映画作ったり、新東宝という会社で労使問題に関係のない人たちが映画を積極的に作っていたはずです。ですから新東宝は少しナショナリズムがある映画つくり、東宝は左翼系だと思うのですが、まあ時が変えたのでしょうか。それはおいておいて、オランダが無条件降伏をするのですが、そのときは今村均中将なんですね。彼はかなりの人物と聞いております。ちょっと調べてみたくなりました。あと(映画から離れてばかりいますが)一連の戦争映画で、今回初めて中将なんてすごく位の人が出てきました。それだけ大上段に構えた映画なのです。

まあやわらかい話題をひとつ、それはこの映画にもジェシカ・アンバに似た女の子が出てくるのです。「スリーピング・ディクショナリー」なんでしょうか?笑い。この子がAに現地の言葉で話しかけてしまったのですが理解できなかったでしょうと謝るのですが、Aは「理解できる、君の目がすべてを物語っている」というのです。閨での講義はなかったみたいです。大爆笑。それくらいこの映画冗談な変なテンションの高い変な映画です。まったく人には勧めません。

これも置いておいて、「大東和共栄圏と大東和戦争貫徹」の矛盾がこの一兵卒に襲い掛かります。まじめに大東和共栄圏、欧米支配からの脱却を考えていたんですね。ここでのAの上官に対する反抗的な態度、普通じゃないですよ。ほかの戦争映画ならかなりの刑罰が待ってます。と、そんなことしているうちにミッドウェイで空母失って山本長官の戦死(このあたりは字幕でのみの解説です)でこんなところの日本軍は追い込まれてます。

そしてジャワ防衛義勇軍が組織されました。ちょうど戦艦陸奥が爆破されて数ヶ月のころです。そして行進するのですが、その次のシーンで玉音放送、ちょっとねえ監督、ジャワの日本軍がどういう戦いをしたのか、連合軍がどう攻めてきたのか飛ばしすぎですよ。

しかし戦後9月に英国、オランダ軍が侵攻してきたことは事細かに描いてます。ジャワは無傷だったんですかね?絶対にそんなことはないと思うのですが。すくなくてもこの映画は信用できないから機会あったら調べたほうがいいでしょう。

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