前ページ

そして、あくまで現地の人に慕われていたAは隊長としてインドネシア独立のために戦います。その部下たちもついてきました。さらに現地の女と恋にも落ちました。なにがそうさせるのか?あえて第二次大戦と書きますが、理念モデルは植民地解放ですので、その理念を信じきった男がいてもおかしくはない、ということでしょう。そして昭和24年になり、下手すると朝鮮戦争の前夜ですね、首都ジャカルタを攻略を挑戦します。まあ成功するんですが、それで終わり。国家が安定してから家族のものが慰霊に来て終わり。

やはり監督は戦後生まれ。せめて戦前で空襲経験あるとかだとまた違うのでしょう。それくらい変なつくりです。

しかし忘れてはならないのは、この映画に出てくる日本人は実際にいたということです。このことは以前から知って感動しておりました。この映画はその感動を深めてくれるものではありませんでしたが。まったく知らない人は見てもいいのかもしれません。

5/9

 

「価格破壊(かかくはかい)」和田勉演出 1981年 

この当時わくわくしてみた記憶があります。「ザ・商社(夏目雅子さんのすごいシーンがある)」とか「けものみち」はそれほどと思ったのですがこれはつぼにはまりました。基本的に政界財界をテーマにした話は好きです。最近では拓銀とか山一の倒産廃業の前数週間を追ったドラマできるといいと思います。実はかなり知り合いがいていろいろと話を聞いております。まあ作れないと思いますけど。

薬の安売りの話です。まあちょっと前までは薬は定価で買うものでしたので、安くすれば商品に差がないだけに定価の店はたまりません。たとえば、「うちは資生堂の商品に、何がしの付加価値をつけてます」なんて売り方はできないのです。いまでは定着してますし、このような小売店が付加価値をつけられない商売はたとえば、DVDなどは安売りの対象になってますね。これなんで再販商品にしなかったのでしょう?CDは逆に安売りがないですもん。多分、ここで出てくるメーカーが圧力をかけるのではなく、価格コントロールしたかったのでしょう。特にメジャー系。

ここではすぐに問屋、メーカーから圧力はかかるし、近所の薬屋は廃業するしでかなり外部環境が悪いです。まあファーストランナーなんで仕方ないでしょう。すごい圧力ですよ。しかし「戦争から生きて帰ったんだ」と言い聞かせてがんばります。一連の戦争映画はここを主張してましたよね。「戦争を生き抜いたものこそ戦争を真実欲しない」まさにこのことです。そして戦争で飢えを経験しているから、食にも貪欲ですし、すべて地獄(戦場)よりはまともに見えたのでしょう。しかし経験していないものが増えてくると通用はしないでしょう。日本の戦後の原動力は多かれ少なかれこのようなことにも起因していたと思います。

「消費者がついてきてくれる限り努力する」という言葉は良いですねえ。メーカー批判はすごいものがあります。それを仕入れて売るだけの小売を維持するというのも難しい話ではあるんですけど。今の日本はこの先に来ちゃっているので、現状しか知らない人はつまらないのかもしれません。あるたとえ話があるんですがメーカーが価格維持に躍起になってあまり安く卸さない商品の原価が5円(定価180円)とのこと。まあこれくらいでないと儲からないわけですがね。何せ人件費が高い。

話は戻して、薬局時代につぶされた薬局の娘がこのスーパーに就職するのですが「はじめはどんな商売しているのか見てやろうと」という気持ちでしたが、いつのまにか「商売の鬼」になって行きます。この時点で会社が大きくなって妻の役割が仕事上では減って行きます。大きくなっていくときというのはそんなものです。しかし気になることがあるのですが、出店ラッシュの時に「規模の経済の享受、日銭が上がる、そして土地価格の上昇」という言葉、かつ「銀行は金を貸すのが商売で、利子くらい返せなくてやっていられるか」ということです。実際にはご存知のようにこれで危なくなったし、銀行まで巻き込んで危ないわけですからね。

この映画では常にお好み焼きやが比較で出てくるんですが、「合理化ではなく、話題づくりと客寄せでっせ」と言われます。そういった時代になってきたとのこと、スーパーでも店頭販売を始めます。現実にこういうことをやっている人は、現役なのでこのような話は過去のものでしょうが、確かに変遷はわかります。配送センターの設置が画期的だったときです。今では当たり前ですけど、当たり前になると本当に利用しているかどうかが疑問にもなるんですけどね。最近、私事ですが、DVDとか購入して運送事故かなりあります。あと注文して在庫がないとか意味がわからないんですけどね。管理が難しいのでしょう。実際店でも、作るのは意外と簡単ですが、維持管理は難しいです。

するとメーカーから休戦の話が持ちかけられます。内容は再販維持価格を守ることで、バックマージンをメーカーが負担するということです。これに戦いを挑みます。メーカーは製造番号から仕入れルートを洗い出しするつもりです。製造番号を消して安売りをやっていた時代があるのは私も知りませんでした。このころはまだメーカーも小売り重視してくれていたんですね。いまでは切り捨てられてます。笑い。

ここで、このスーパーの進出でつぶれるべきところはつぶれた、そのあとの戦いが始まります。スーパーにはスーパーで対抗。そのために薬局から入った娘を引き抜きに来ます。

この彼女は仲間を引き抜こうとしますが、多分この女に恋心を持っている男が一人だけついていきます。まあ人望があったんですよ創業者に。引き抜きでうまくいくのでしょうか。

ここからすさまじい迫力が出てきますよ。

次ページ