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しかし彼女は米兵と遊んでいるうちに輪姦されてしまうし、その腹いせにお金を持って逃げようとすると追いつかれ捕まってしまいます。このように彼女の人生もおかしくなっていくのです。そしてオンリーさんになろうとするのですが肌に合わずすぐに戻ってきてしまいます。ちょうどAもやくざの汚さに愛想が尽きてやめて出直そうと決心したときでしたので二人仲良く出直すことにしますが。

しかしその最後のお金を取りに行くとき最後の仕事で裏切りが出て、どうにもならない状況の中、Aは叩きのめされて、豚と一緒にトラックの荷台に積まれて運ばれますが、そこには闇で手に入れた機関銃もありました。その機関銃でぶっ放すA.しかし相手を狙っていないのです。基本的にやさしいですよ。しかし相手は正当防衛と拳銃を撃ってくるし、警察も駆けつけてます。もう逃げ場がないAは流れ弾に当たり負傷をおい死にます。駅で新天地に向かう待ち合わせをしているその夜にです。彼女のほうは来ないAを待っているのですが、騒動を聞き言ってみると悪い予感が的中します。

そして姉の勧めでオンリーさんになる話が持ち上がりますが、一人Aとの約束の地に旅に出て行くのです。きっとAと心の中では一緒だったんでしょう。

意外とまとまりがないような感じもうけますが、その実、グラフィティのような映画です。なんといっても45年近く前の横須賀が良いです。活気があったなあ。

6/18

 

「ギャング・オブ・ニューヨーク」 マーティン・スコセッシ監督 2002年

聖ミカエルが悪魔を天国から追い払った、という子供への教育から始まります。今度は悪魔関係が続くんでしょうか。

移民対ネイティブの戦い、といってもネイティブの皆様方も昔は移民なんですけど。この戦いぶりは「サルートオブザジャガー」並みに面白いです。アイリッシュカトリック対WASPみたいな構図です。まるっきりケネディ大統領暗殺の構図です。1846年のNYです。嘘だろう、という気持ちでいっぱいです。この数年後ペリーは日本に来ているんです。こんな国内状況だったんですかね。それから16年、南北戦争のとき?のNY.

ペリーの外交とはなんだったんでしょうか?ちょっと勉強しなおさなければなりません。

しかしアイルランド移民の話はアイルランドに行くとよくわかります。ジャガイモしか取れないのに不作だったんですよ。数十万単位で移民してました。

とにかく冒頭の争いで負けたアイルランド系の司祭の子供が監獄から出てくるのです。

そして昔の町に戻ってみると、荒れていて、いろいろな派閥ができています。しかし基本的には荒くれものたちですね。そしてあるボスの元に入り込みます。この司祭の子供(青年になったけど、をAとします)。この親分は肉屋でその派生でナイフを使うのがうまくなってボスになっているだけのチンピラあがりです。スリの女(Bとします)がいるのですがこの女はとりあえず一匹狼ですが、ボスの褒美をもらったものからは確実にスリます。そしてAと知り合いになり、ダンスパーティーで相手を選ぶときにAを指名します。しかしBが娼婦をかねているのでAは避けます。まあ仕事というか生きていければいいのでしょう。その間にもアイルランド人の移住は続きますが、賃金は黒人よりも下(ここは注目)でも仕事をします。そしてソサエティを作っていったんでしょう。カトリックで司祭を中心にまとまりますから。情報網もできやすいですよね。そしてAはこの司祭の子供だったんですが、ボスはアイルランド人を非難するほう。なぜなら司祭はバチカンの言うとおりで自由の国アメリカにはふさわしくないという趣旨です。このボスの父親が自由を勝ち取るために英国群と戦って戦死しているからです。そんな反対ばかりしているとアイルランド系から狙われて狙撃されます。それを最小の傷に食い止めたのがA.

まあ下層階級のほうのアイルランドと黒人の音楽と踊りを足すとタップダンスみたいになりますけど、これがアメリカのオリジナルとはよく言ったものです。アメリカで出会ったのですからその通りです。この飲み屋の中の女の一人がBでキャメロンディアスなんですがまったく目立たない感じです。いいのか悪いのかわかりませんが、アメリカが混沌としていた様子はこの酒場のシーンなどでよくわかります。酒場と港のシーンかな。

ボスはあに司祭との戦いのあらましを説明して記憶に値する相手はこの司祭だけだったといいます。Aはその息子なんですが。

当然Aはボスの命を狙うために潜入しているわけです。しかしそのことをいち早くボスに忠告する男がいました。それまでは命を助けてもらったことでAを信頼していたんですが、隙を見せなくなります。そして政治をかねた見世物ショーの始まり。この映画の最高の見せ場です。こういうの大好き。

Aの狙撃は当然失敗します。そして切り刻まれる状況に。そのときの観客の盛り上がり方は人間の野蛮な欲望を表現していていいですよ。この映画はこのシーンだけで愛すべき映画なんですが。しかし切り刻まないで。町を歩けないように顔にパテでやけどを負わせ、多分片目を失明させます。たぶん映画だからでしょうがこのような状況でつける傷とすると小さいものです。もっとエレファントマンみたいになると面白いのですが。

そのあとアイルランド系で組織してギャング団を作っていきます。最終的には選挙に勝ちたい。アイルランド系の議員を出したいということです。まるで「寒椿」と同じなんです。まああれは昭和初期の議院内閣制が開かれたときで、これはアメリカの公民権(当然、黒人には選挙権がない)の初期なんでしょう。というか移民の影響を馬鹿にできない時代です。

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