前ページ

この引っ越したアパート生活の中でいろいろなことを経験します。たとえば、外がけんかでうるさいときに部屋の外に出てしまい、自動鍵が閉まってしまい、外にいる間に、同じアパートの住人同士の情事を目撃します。ここでも孤独のはずですがメロディがなります。(孤独と愛情がモチーフの部分です)。その後も生活の断面を切り取っているかのようですがすべて主人公の女の精神的な部分に作用していることが列挙されてきます。街でたたずんでいるとき、老婆が歩いている姿を見てリコーダーの曲の続きが聞こえます。また、なくした十字架のネックレスを持ってきてくれた少年がいました。事故の現場にいた少年です。事故直後の話を聞かせてくれます。やはりメロディが流れます。この辺のシーンは夫が作った曲が流れるのでしょう。なぜならば、このようないろいろなモチーフを欧州統合のテーマに含めていたからです。(孤独、愛情、博愛、やさしさなど)

このように、ちょっと、些細なことが夫を忘れられないものにしていくのです。本当はもう忘れないとつらい思い出なのですよ。さらにねずみが部屋に巣を作って子供をたくさん作ります。さすがに殺すことはできないのです。親ねずみは必死に子供をかばっています。しかしねずみの鳴き声が一晩中聞こえてくるんです。ねずみは何かの弱いものの象徴なのでしょうか?いや、子供への愛情の象徴なのです。何か失われた子供への愛情に苦しめられるのですよ。それで、無意識的に弱気になって母のところに会いに行きます。そこでのせりふには参りました「友人も愛も私を縛る罠」というのです。ねずみもです。自由に生きるしかないと思っているのですね。それで、猫を借りて、部屋の中に離します。強制的に動物の愛情なんか聞きたくもないのでしょう。その猫を貸してくれた同じアパートの住民の女は風俗産業で働いてます。この人がいうことがまたいい。「誰だってセックスは好きよ」。だんだん、一人で自由に住むつもりが愛情の必要性を無意識に植えつけられていきます。そこでテレビで自分が写っていることに気づきます。それは夫の友人の一度関係を持った男が夫の曲の続きを作るというインタビューでした。そこで夫が知らない女と写っている写真がもこの妻の写真とともに放送されます。続きを作れるはずはないので、写譜をした人のところにいってみると、やはりコピーしていたのです。この人いわく「こんなすばらしい曲は捨てるなんてできない」。あの大道芸人も演奏したくらいですからねえ。そして夫の友人のところに行くと好きな友人の未亡人の気持ちを挑発したかったと本音を言われます。そして友人のバージョンの曲を聴かされます。違う。合唱も入るはず、それもギリシャ語の韻を踏んだ詩と指摘(この詩がこの映画のテーマを見事に表現しているんですよ)。そして夫と一緒に写っていた女は夫の愛人だと知るのです。夫を忘れたいがために自由になったつもりが夫は愛情に関してとっくに自由だったのです。この夫が愛した女に会いに行くと(次の白の愛の主役のジュリー・デルピーがちょっと写るんですよ、このシリーズは出演者が次々と違う映画にも同時進行のたまたますれ違った違う人生を示しているということを強調するためにほかの主役や役者が違うストーリーの中で違う映画の中に登場してくるんですよ。いろいろな人生が同時にいろいろな角度からあるということですね)女は妊娠していたのです。ここで夫が愛していたのはこの女のほうだと知るのです。母のところに行っても母は彼女なりに年取って自分なりに自由に生活していたのです。会わないで立ち去り、夫の友人に手直しした曲を見せて少しずつ作曲に参加し始めるのです。そして、屋敷に戻り(アパートはもう要らないのです、なぜならば、新しい生活が始まろうとしているからです)夫の愛人と子供が屋敷を継ぐべきと渡して、作曲も並行して完成させます。同時に新しい「愛」の完成です。そうです、愛はすべてのことにも増して人生に必要なことなのです。ここに彼女も夫が自由だったのと同じように自由を得たのです。そうです、ギリシャ語の合唱の歌詞の中に「言葉はいつしか滅びる、知識もそうだ、愛は残る。信仰と希望と愛のなかで愛は尊い」とあるのです。夫が作った曲をここに実践できたのです。夫との生活はもう戻りません、それを忘れようとするのではなく、新しい愛の中に生き始めたのです。

本当に映像と音楽の一致、すばらしい。ずっと忘れないで生きていきたいですね。本当に良い作品です。ブラボー。 

12/6

「お熱いのがお好き」 ビリー・ワイルダー監督 1959年

 

マリリン・モンローを好きになったのは実は最近のことです。彼女の写真集を買ってその素顔を見たときにびっくりしました。

彼女はマリリンになっていたのです。実は本当に美人でした。なんというかグレース・ケリーとイングリッド・バーグマンを足して割ったようなすごくチャーミングなんです。この写真集は本当にお勧めです。長年彼女の写真をとり続けていた写真家が版権が切れた昨年世界2万部限定で出したのです。素顔はびっくりしますよ。いやーーキュートですーー。

次ページ