前ページ

面白いかといわれれば、面白いけど、期待以上ということはなかった。劇場版とテレビ版でどちらが面白いのでしょうねえ。捜査二課の一番長い日、とかいうのが見たかったのでもしかしたら劇場版ははずれかも。しかしテンポのよさと音楽の盛り上げ方、ロックのリズムとか塚本監督とか三池監督のノリはあります。終わり方もすぱっっとしていて気持ちいいですよ。

1/25

「悪魔の手毬唄」市川昆監督(昆という字が違いますが変換できないのです) 1977年

これも始めてみる映画です。音楽村井邦彦なんですね。まあ20年前の事件が関係するらしいのですが、また岸恵子(Aとする)なので犯人だと思います。さとちゃんが顔にあざがあるのもそれが原因らしい。しかし岡山ばかりが舞台ですね。総社からまた田舎のところが舞台です。しかし仁科明子は美人です。詐欺師の娘役ですが、身元のわからない子の方が美人になるというのも因果ですねえ。実際の仁科さんは名門です。舞踊の名手岩井さんの娘です。よく国立劇場みに行きました

。この村(鬼首村)の2つの勢力争いがもと。旧家が没落して、新興勢力が台頭してきた頃ですね。この旧家の女の子と旅館の男ができているんですが、何か意味があるのでしょうか?その前に室町からの本当の庄屋はもう跡形もなく一応子孫が生きているだけです。この老人がポイントなんです。この庄屋の土地を旧家と新興勢力の2つが買い取っているんです。庄屋が遊びすぎたのが良くないのですけど。

まあ劇中劇で「モロッコ」がでてきます。まあ対比ですが。

そして感じるのが人間の運命は本当にわからないということ。いろいろあると思いますが、最終的に収まるところに収まるのですね。さらに半端ものとされている人間たちが一番人間を見ているということですね。すべて煙たがれる人物がキーポイントを握ってます。それも証人として。

まあ推理小説なので内容はともかく、かなりいい映画です。松竹の「八つ墓村」(この辺の漢字変換ででませんね)に次ぐ出来ではないかと。

多分、かなりの役者が本当の脇役で出てくるのと、かなり愛情がテーマの映画だからでしょう。それと音楽が「翼をください」を作曲した人で「赤い鳥」などにもかなり曲を提供した人なので意外と雰囲気が出ていたと思います。もともと「赤い鳥」も神戸で活躍してましたし。まあ普通に見て面白いとは思います。今回のBOXでは一番面白かった。しかし届いてから観終るまで2ヶ月かかりました。犯人ははじめの予想通りでした。

1/26

 

「君が若者なら」深作欣二監督1970年 松竹

この映画はこの監督には珍しいタイプの映画です。予告編がめちゃくちゃ面白そうでしたので観てみました。脚本が3人の連名(中島さん深作さん松本孝二さん)なので話をうまくまとめ上げたのでしょう。中卒のレッテルが最後まで付きまとう映画です。

始まり方は本当にすがすがしい。良い感じがするんですがね。まず、独立したその日からスタート。前向き日本という感じです。ダンプカーを買って仕事を請け負い自営していくその日からスタートです。ダンプの名前は「独立第1号」いいです。ふたりが協力し合い(本当はもっといるのですが)ここまでたどり着いたのです。しかしお祝いを言う社長なども本当に人がよさそうで見ていてこっちまで心が洗われる気持ちです。そして都内を走るロケ。30数年前の日本です。いまだに残っているビルがたくさんあります。本当に良いスタートです。1970年は万博とか三島事件があった年だったと思いますが(調べてません)前向きです。彼らは九州の炭鉱育ちです。懐かしい風景が出てきます。そういえば、炭鉱の労働争議なんてありましたよね。国鉄と日教組、自動車総連なんか強かったですよね。トヨタなんてつぶれかかったのが今では優良企業です。逆に助けた銀行が跡形もないですよ。住友に持っていかれてしまってます。昨年の好決算でも賃上げ要求しないトヨタの組合もおかしいですが、こういう経験がものを言っているのでしょうか?日産なんてつぶしたのは組合みたいなものですよ。とにかく、炭鉱はなくなってしまった日本です。その貧しさの中で集団就職させられて上京して這い上がってきたふたりです。

就職した工場は倒産で、仲間の一人がボクシングをやっていたので、その応援に行ったときにかっとなって喧嘩を起こすのです。そしてなにかやらなければ、という問題意識が芽生えます。ダンプを結束して買おう(5人組)。このときの石立鉄男の話し方まったく「鎌田行進曲」の銀ちゃんの風間さんと同じ感じです。ボクサー役はまたまた峰岸さん。最近この人ばかり見てます。ここから5人組がひとり減り、ふたり減りで2人になる話が続きます。まあ、うまく行かないときはあるもんです。ひとりは積み立ててダンプを買う約束を5人でしてましたが、その積み立てが遅れていたので、犯罪に手を出してしまったのです。「あせっちゃったんだよ」この言葉、一言ですべて語りますね。もうひとりは仕事先で妊娠して結婚を迫られて脱退。もうひとりはバイトで「スト破り」をしてそのときの怪我で死亡(ボクサーです)

監獄に入っている奴の家族が上京して生活を始めますがそのとき友達ということで仲良くしてくれるのです。その妹と2人組が一緒にダンプに乗って海へ向かって走って波際で遊ぶ姿青春のきらめきですよ。いいシーンです。そういえば音楽もいい(いずみたく)。そのときに母親の話になるんですが2人組の一人が狂ったようになります。父親が炭鉱で落盤事故で死んでからは生活をするために娼婦になっていたのです。その姿が子供心に嫌で仕方なかったのでしょう。考えてみれば今の時代は面白いですよね。プータローがダンボール丸めて、下手すればテントで堂々と道や公園の脇で生活しているんですからねえ。なにかこれでもわかるようにプライドがなくなってます。

次ページ