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静かな始まりです。過去のことを回想する展開ですね。呆然自失とあの時を思い出している感じです。あの時とは毛皮を着た美人と過ごした時間です。

たしかに内容も悪くないのですが、まずは主役のこの女性に魅力がないのがこの映画の一番の欠点です。確かに見ようによってはかわいいのですが、もう少しノーブルな感じがほしいですね。

内容は別にないのです。単に男がこの女を気に入って、愛するようになるのですがあまりに大事にすることの裏返しでどんなことをされてもうれしくなります(快感という感じではないですねえ)。しかし、多分この監督のこだわりなんでしょうが、毛皮を着たままムチでも打たれるほうが良いと言う男です。この男もなんか擦れた感じで主役としてはちょっと映画の質が落ちる感じです。というより、マゾッホの小説は映像化難しいですね。「クイルズ」という映画がありましたが、あれはジェフリー・ラッシュが台無しにしてました。あの俳優は下世話な役しか似合わないでしょう。このように私が思うだけですが、テーマがかなりアブノーマルなものなら、出演者は無名でもいいからピタ、と決まる役がいいですね。今回は女は、少しやさしい、ヤンキー娘という感じです。男はソビエトあたり出身の昔良かったけど最近疲れた感じになった男です。バレエでいうとルジマートフの現在という感じですよ。別に今のルジマートフが悪いとはいいませんし、昔、「海賊」「ドンキホーテ」などは素晴らしいバレエを披露してくれました。まあ映画に戻りましょう。

「愛ではなく肉体の中毒」らしい。マーラーの交響曲やチャイコフスキーの交響曲からのメロディーがいたるところに抜粋されて流れます。ロマン派なんですね、こういう情熱は。

主人公の男の毛皮に対する執着は12歳のときの叔母によって強姦させられたときに始まるのです。手足を縛られてね。そのとき毛皮を着て美しく見えたというのです。映像は黒人3人の女性に囲まれて乱暴させられるシーンです。

しかしここでの主人公の女のほうは多分、普通の愛を求めているのだと思います。男は愛しているといっても、鞭打ちなどの手段を介しての愛が中心ですが。最後に女は気移りして去って行きます。残された主人公はこの女とのひと時を忘れられずにたたずむだけです。

イメージの世界なので、あとせりふがほとんどないのでイメージの世界を映像で表現しているのです。まあまあこんなものかな。言葉のほうが刺激的かもしれないですね。

m_i08.gif (1119 バイト)昔に書いたこと(2003,11/21より)

 

m_i08.gif (1119 バイト)昔に書いたこと(2003,12/14より)

 

 

 

 

 

 

 

 

   

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