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「信仰」

ここですごい会話が。それは兄貴の未亡人の義理の姉との会話ですが、ヤンとのほかの男と寝て来いという会話を聞かれてしまったのです。べスはヤンしか愛せないので抵抗があるのですが、やるというと、姉は馬鹿なことをするなと止めます。べスはなんと神が彼を信じれば助かると言ったというのです。土地の神を徹頭徹尾信じているんですよ。神父というだけですよ。よそから嫁に来た姉にはこの信仰はわからないと。そして姉は自分の意思で生きるのよ、と近代自我の確立みたいな事を言います。意思と信仰の対比です。

「べスの犠牲」

実はこの前の章の最後にヤンは事実上の離婚調停に賛成していたんです。というのはべスを精神病棟に移してヤンともう会えなくする書類にサインをしたのです。医者からはヤンはもう直らないといわれて、生きている限りべスは犠牲を追い続けるから危険だというのが理由です。もうべスは神の言葉なんて抽象的なものを信仰の対象にできなくなってしまいます。現実には愛が、愛し合うことが精神の救済に一番だと知ったからです。しかし閉鎖的な村は、教会を中心に神の言葉をひたすら読んで信じるものだけが教会員として村で認められるのです。よってべスは村はじきにされ、母親も助けると同様に村八分になるので黙ってます。教会に捨てられ(神に捨てられ)自分自身の中に存在している神と対話しながら、ヤンにも会えなくて、変人のいる船に売春に行きます。前回はそこでひどい目にあっているのに、なぜ行くのでしょうか?試練を乗り越えれば活路が見出せるとでも思っているのでしょうか。まったく無意味です。しかし向かうときに最後に神と自分と対話して何かを見出したのです。それは犠牲。もしくはヤンとの永遠の生。当然今度はめっためったに切り刻まれます。

「葬式」

とにかく、べスは死んだ。しかし彼女は自分の中の神と常に対話していたのです。そして、愛することに忠実に相手を思いやり、回りを気にせずに生きたのです。それも悩みに悩んで。人間なんて、小さな存在ですし、せめて伴侶と添い遂げたいですよね。男と女がペアというのが人間の最小単位です。葬式は行わず埋葬だけ許可されましたが、ヤンは死体を持ち運び油田に投げ込みます。これからそこで仕事を再開するので守り神になるでしょう。

そのとおり、しばらくしたら天から村の教会にはない鐘の音が油田の人々を祝福するかのごとく鳴り響くのです。まじめに信じあっている限り油田の人々は安全でしょう。

素晴らしい映画でした。まったく私の勘違いで、理解不足を反省いたします。

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「はるかな旅・日本人3」NHK 2002年

海が育てた森の王国

縄文時代13000年前から2300年前まで、詳しくは覚えていなかったです。きっかけが始まりと終わりにあるのでしょう。キーワードは「森、定住、集落生活」です。ここに日本人のルーツがあるらしいです。落葉広葉樹における移動生活から定住生活へ。それは8000年前くらいの黒潮の流れの分流が「対馬暖流」が日本海に流れ込んだから、(温暖性)広葉樹、照葉樹において定住可能性が広がったのです。しかし黒潮と対馬暖流の流れているところルートで追うと魚がおいしいところが多いですね。逆に親潮が降りてくるところに寒いところの魚が多いです。ちょうど大洗沖で黒潮が向きを変えるのですがそこには親潮の影響のアンコウ鍋などがありますものね。シベリアからの寒波とぶつかり上昇気流の発生、山岳地帯での雪。太平洋側での雨という水分豊かな国の誕生。四季の季節感の誕生です。磨製石斧が鉄のかわりに斧の役割をします。そして定住の住まいもまた森の木から作ることとなります。定住生活が長くなると分業などの生産性の向上を図ります。5500年前の三内丸山の大規模集落などです。ぶななどの伐採とともに栗の栽培を行い食生活の安定を図ったのです。この栽培ということは必用なものをいつでも手に入れることができるということで漆なども栽培すれば装飾として利用できるのです。そして交易の実施(海の近くの集落、港の意味がある)。日本海中心に糸魚川、佐渡、十勝などです。大規模集落も日本海中心に点在。これは対馬暖流が今よりも勢いがあったから交易の移動手段で迅速に交易できたため。気温が高かったというのは青森に行ったときに聞きましたがそのため海水面が高く海の部分が大きいため、海流の勢いが強かったのでしょう。太平洋側は?親潮があるから移動のハイウェイはフィリピンから日本には早かったのですが、日本国内ではうまく利用されなかったのでしょう。しかし4000年前に気温に低下とともにこの大規模集落は衰退。根拠は繁栄の元は栗の栽培でしたのでその交易手段たる栗ができなくなったからです。そしてこの寒冷化によって日本は平野ができます。地図を見るとわかりますが、今よりも海面が高いと日本は平野はほとんどなく、海と山しかないですよね。平野は最後の温度低下で今の温度になったときに最終的に形成されたんですね。そして山を背景に平野で共同生活を営むようになって今の生活の原型ができてくるのです。

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「チャタレイ夫人の恋人2」 ケン・ラッセル監督 1993年 英国

第3部「愛の歓び」

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