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3/8

「私の骨」 荻野憲之監督 2001年

この映画ネットではまったく馬鹿にされた批評しか見当たりません。

どうなんでしょうね。早く言えばJVDというメーカーは評判は悪いのですがまさに作りの悪いDVDです。作品以前の話です。VHS見ているみたいな画像。

まずは主人公は作家(A)とする。家族とは別居して作家活動に専念している。その叔父に会いに行くと(この叔父の役が棒読みの大根役者と批判されるんでしょう)押入れに骨壷がありAが見つけるように仕向けます。そして消えていきます。その骨壷を開けて骨を組み立てると、なにか自分の息子の骨のような気がしてくるのです。しかし骨は処分しなければなりません。よってすべて砕きます。頭蓋骨にハンマーを刺すのですが最近、肉体と魂の関係についての映画ばかり観ているので、まったく怖くないです。魂の抜けた頭蓋骨にはなんら意味がないのです。生きているときは頭蓋骨と魂が一体ですので殺人となりますし、意味があるのですけど。

そして妻と子供に会いに行くのですが、変な小説書いているので、世間体が悪いということで同居を断られます。そのときの妻がいいこと言います。「流産したときあなた何といったと思う。子供なんてまた作ればいいじゃん。しかし子供はそれぞれ違う」というようなことを言うのです。まさにその通り。子供は親を選んでくるのです。したがって流産はその子供の魂の死に値するのです。この妻は物の道理をわかっている人間だと思いますよ。

そのとき妻から夫が2歳のとき死にそうになったのを父親が渾身の力で助けた、という話を聞かされます。そしてその夜、帰ってみると骨は消えています。そして骨壷には赤い液体が。それは気味が悪いので捨てていると骨壷の裏に日付が入っています。まさにAの誕生日。そういえば、あの骨、2歳児くらいだったような気もします。まさにその通り、だんだん妄想が激しくなり、何かに襲われる夢を見るようになります。しかしその襲われた後のところにある骨はなくなっていくのです。どうも、いとこの若い女の子が遊びに来たあたりからおかしくなっているので、何かあるのでしょう。

今度妻が尋ねてきたとき、結婚指輪を返されます。そして告白されます。「あなたなんてどうでも良かった。子供がほしかっただけ」と。いやーーいい味が出てきますね。この映画意外といい映画ですよ。

ある事実が判明しますがそれはもしかしたら、Aの見ているのは妄想ではなく呪いかもしれないということです。昔の話、この家系はある巡礼者の子供を人柱として犠牲にしているのです。その怨念があることがわかります。いとこの女はそのことが書いてある本を持ち出してます。なにかこの話がばれることを恐れているのではないかな。しかしAの先生はほかにこの呪いの話が書いてある本を見つけてAに読ませます。Aの家系は代々男が生まれない家系になってしまったのです。それは怨念からですがAだけが例外というわけです。

しかしこの姪(いとこではなかったです)はAが直系ではないことを調べ上げました。なぜならば、男を盗んできてその両親を殺して自分たちの子供として育て上げたのです。そのことが記事で見当がつきました。Aを愛する姪はこれで近親相姦はなくなると喜んでいたのです。さらに姪はAが直系ではないため、妻との間には男の子が生まれる可能性が半分あったのです。そのため、呪いの人形を贈っていたのです。そして流産。しかしもうひとり男の子ができてしまいましたね。この男の子を殺そうとするところにAが駆けつけ、怨念を晴らします。どうやって、直系の男を殺せばいいのです。Aは直系ではないのですが跡取り。よってAは自分の命を絶つことで怨念を晴らします。子供のほうは家督も継がないし直系でもないので助かります。

しかしこのことはAを愛していた姪の心を壊します。そして怨念は最後の仕上げをして終わります。そうです、妻が子供を殺すのです。もしかしたらAは実の子供だったのかもしれない。しかし姪の愛情がおかしくなるので、直系ではないが家の跡取りということ、すなわち家を断絶させることを狙ったのでしょう。

かなりいい作品です。何であんなにネットで評価が低いのだろうか?

3/9

「穴(あな)」ニック・ハム監督 2001年

市川監督の作品ではないのです。市川監督の「穴」は大好きですがこれはどうでしょう。

ソーラ・バーチはまた髪を染める役ですね。高校生の多感な時期の金持ちの子供の話です。

余裕がありすぎると文化が生まれますがゴシップも生まれますわね。ゴシップの方かな。

ウェールズへの研修旅行に行きたくなくて、学校と親をだまして旅行に出かけます。それが防空壕の穴なんです。普通はウェールズのほうが良いのですが向うで特訓が待っているみたいでこちらに逃げてきました。アレンジしているやつがオタク系(B)でこいつが好きな女の子(A)と彼女の憧れの男子(C)を一緒にしてあげます。何かたくらみがあるのでしょう。3日後に迎えに来るといったまま、迎えに来ないのです。中の人間はあせります。

AはCと一緒に相談して、AがCのことを嫌いになるのを待っていると言います。CはBがAのことを好きなのか、と聞きますがその通り。嫉妬のなせる業なのか、と逆に仲が良くなってしまう。そして盗聴をしていると知って逆に中の悪い振りをする。これは危険です。本音が出てしまう可能性があります。

しかし成功、脱出できます。AはCの愛情も勝ち得ます。ここがおかしい。ここまで筋書きに入っている気がする。

しかしBの供述は逆です。AがCをくどき落とすために仕組んだと。まったく違うことを言います。

事実は監禁された中で3人が死んで1人が帰って来れたという事実です。

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