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「私の秘密の花」ペドロ・アルモドバル監督 1995年 スペイン

この映画,ホアンキン・コルテスが出ているんですね、どんな役でしょうね。

まあこの監督は意外と好きな監督ですので、いい感じにまとめるでしょう。何故好きかっていうと、色とか映像が少しラテンしていて、かつ映像がちょっと胡散臭いにもかかわらず楽しいシーンがあり、それで映画を強引にうまくまとめ上げるところが意外と好きなんじゃないかな。

はじめに臓器提供の話が出てきますが、それは練習みたいで、フラメンコが中心になってきます。ダンサーが(A)いて大会に出るのですがその母親(B)も昔はうまかった。こうなるとこの二人の踊りは見たいですよね。ホアンキンはAです。途中のBGMもタンゴからフラメンコといいですよ。そして臓器提供の説得の練習を指示していた女性(D)は作家は姉妹で作家のほうは多分匿名で違ったタイプの本を書いてます。(Cとしましょう)

ちょっとスペインの人の顔が区別つきにくいので、(別に東洋人がみんな同じ顔に見えるといわれても、同じような私には欧米人が同じような顔に見えます)ちょっと入り組んだ人間関係です。まずは人物の登場の仕方のまとめが監督は下手です。

Cの本は「愛」があったのですが匿名で評論を担当するようになってCのパンネームの人を評論してほしいといわれますが、ほかのものについてかなりまともに書いてしまいます。しかしCを育てた女性編集者は「現実なんて実生活で充分」「現実を禁止させるべきよね」とすごくわかることを言ってくれます。しかし匿名の作家でいることをやめます。編集者はルール違反だというし訴えるといいます。そうするとばれてしまいますね。そしてCはその作家つまり自分自身についての評論を書くのです。それには編集者(別の)も驚きます。何故そうなったのでしょう。ABがCのお手伝いとその息子という関係です。Cの愛する旦那が帰ってくるときパエリァを作っているのですが息子が大会に迎えに来ます。そしてCの説得もあり大会に向かいます。どっちが主役なのかこれから明らかになりますね。旦那が帰ってきたときの情熱的なキス、先が思いやられます。しかし旦那にはそっけなくされるし、修復の可能性はないといわれるし、実家の母は妹と折り合いが悪く田舎に帰るというしめちゃくちゃな精神状態の中、カフェでテレビを見ると歌手が歌ってます。この歌がいいんだ。愛の歌。表に出ると学生のデモ(職がないというデモ)がリズムを刻み始めると、フラメンコがかぶります。

しかし田舎に帰って落ち着いたほうがいいですよ。匿名の作家は別の編集者が書いて作品を送りました。引継ぎです。Cの旦那のあとの彼氏になりそうです。

そしてフラメンコ大会。素晴らしい踊りです。

まあ作家が本業なのか、愛情の寂しさに始めたのか、どうでもいいですが、作った作品が一人歩きしたことは事実です。そして映画になったり、匿名の架空の作家になったり、その名前をシェアしたり、いろいろと物語が進行します。そのなかであとの彼氏とCが一緒に暖炉で話をするときに「ベストフレンズ」という言葉が出るのですが、まさにあのヒューストン監督のあの映画です。意外な単語でした。いい映画ですよ。

まあ違うことは違いますが、収まるところに収まった感じです。普通の駄作かな。この監督の映画はスペインのサッカーみたいなところがあります。点の取り合いで面白い。ビクトルエリセ監督と同じ国とは思えないところもあります。

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「人間の條件」小林正樹監督 1961年

第六部     荒野の彷徨

題名自体が入力できません。すみません変換の仕方わかりません。

満州の問題で日本軍の兵隊との議論でソビエトは満州を中国に返すと思っているらしい。

蒋介石はほしがっているけど、八路が取るでしょう、という意見です。何も言わなくてもこの辺の事情お分かりですよね。わからない方はちょっと調べてください。私はこの辺までは日本人の常識だと思ってます。蒋介石にソビエトが返さないというのはアメリカの関係ですね。それが台湾と中国にもなってます。

さまよっている間に小山に篭城している連中に出会います。そこでは軍の規律がそのまま生きていて、一緒に逃げたいというものも脱走の罪で処罰されます。本当に無意味な殺し合いです。そしてよく考えてみればわかるのですが、ソビエトが下手に通すわけないですし、要所はすべて押さえられているでしょう。そのなかで可能性にかけているのです。主人公の場合は愛情にかけているのです。

ソ連兵とぶつかっても戦います。そしてソ連の兵器は捨てる。これは兵器略奪の罪の言い逃れができるからです。そしてポイントとなる一般人との接触の場面。開拓村へ乗り込みます。この人たちはもともと中国の人でしょうし、どう待遇されるか、まったく予測がつかないし、村によっても人によっても違いがあるのでしょう。この村は女ばかりでした。その長を笠智衆が演じてます。女たちははじめは怖かったけど日本兵より物をくれるだけまし、と売春をしてます。日本兵はただ乗り、食い物ねだるだけと厳しい評価。しかしこの人たちに頼まれたとはいえ、近くの畑に行って食べ物を盗んできます。そのときに見張り番も殺します。一体何人殺したでしょう。

高峰秀子にすごいこと言われます。「女はね一緒に逃げてくれる兵隊さんを待っているんです」「亭主もちは舌を噛み切ってしななければならないのですか」この言葉は梶の気持ちを揺さぶります。妻も同じだろうか?

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