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自己保存欲、食欲、性欲のうち前者の2つはなくなるかほとんどなくなるため、無法地帯になるということらしい。まあ反発しないでおきましょう。突然、山が割れてその谷間を通ると海がありそこで禊をして三途の川に着きます。ここから霊界。ちょっと「コンタクト」の宇宙とのつながりみたいですよ。ここからがいけません。趣味思考が集まるコミューンができているというのですが、映像的には音楽もちょっと無理があるかな。ロケは多分五箇山。「一段上に行くためには人間界の修行が大切なんです」このせりふうけてしまった。まさに「人間の条件」のAの状況です。「地球は魂の流刑地」というのもほかに魂の行くところがないということですね。すごい。「死は束縛から自由への瞬間」という説得性。

言葉ではなくイメージの世界でしたが、わかりやすい。この映画今は、このあとに出てくる新興宗教の犯罪などであまりテレビでは放映され難いでしょうし、レンタルもされにくい感じはします。しかしそれなりに楽しめた私はおかしいのでしょうか。わかりやすいし、説得力はある。特典のインタビューも面白い。と思いました。ネットで検索してもこの映画の評価悪いんですよね。

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「人間の條件」小林正樹監督 1959年

第三部 望郷篇

ここでもAは同じ日本人からにらまれます。できるやつ、なんですね。そして美人の妻、優秀な頭、能力そしてそれをいたぶることができる軍隊という序列社会、当然、優秀でないか少しねたんでいるやつは権力を使っていじめます。

「もう一度どこか誰も知っている人のいないところで一からやり直したい」と友人になった古参の兵隊はAに言います。誰もが一度は思うことでしょう。宴会はおかま役がいるんですね。男ばかりですもんね。ここで第一部と第二部の抗人は工人の間違えでした。

言葉に慣れていないので簡単に間違えます。「けいほう」というのがあるんですが漢字が浮かびません。陸軍の法律みたいです。しかし上下関係ははすごく非能率ですね。実は上等兵と軍曹の違い、1年兵との違いなどまったくわかりません。これは経験してみないことにはわからないでしょう。そしてあんな非能率な戦況の拡大、負けるのに決まってますね。誰も気づかなかったわけではないと思います。この映画と同じように、口に出すことさえできなかったのでしょう。

このような中、Bがの兵舎に訪ねてきます。そして信じられないことに次の日の朝5時まで一緒にいることを許されます。ここでの会話で思い出しましたが、純愛篇の冒頭ですがふたりは熱烈な純愛で結ばれたのです。愛はつよしですね。引き合うものが本当にあるみたいです。素晴らしい夜なのですがBは直感でAが戦地に行くような気がします。あたりますね、こういう勘は。

いじめも見ていくし、それを助けると自分がおかしくなる、という世界です。「ちょいと兄さん、寄って行って」と無理やり言わせておかまにさせて、そのあと体罰。精神と肉体両面からやられるのです。このいじめられた兵隊は普段はうまく立ち回れないのですが、うまくいい訳して逃げて自殺します。そのとき銃の使い方うまかった。この家族は母親と嫁が不仲でいちいちその不満を嫁が手紙で書いてくるのです。それを検閲されておりました。

「銃後が健全でないからだ、健全な家庭からしか健全な兵隊は出ない」すごい論理です。今ではまったく通らない論理でしょう。上司とすごい議論を展開します。「自殺に追い込んだ上等兵の暴力の糾弾」と「軍の秩序」の戦い。どちらも説得力があります。しかしAは個別に自殺した人間を追い込んだ男を糾弾しようとしますが、その暴力に訴えようとする時の目でいじめたやつは恐怖を感じます。真剣に生きているということは相手にもわかるんですね。冗談でいじめたやつを震え上がらせます。そうした中、友人となった男が脱走をしないまでも地元民の罪の捏造を見逃したとして逆に罪をきせられます。この辺のことはいくらかいてもわからないでしょう。

実際ぼやに乗じて逃げます、それをふたりが追うのですがAはもう一人の邪魔をしてこの男を逃がします。もう一人の男は都合が良いのですが、あの自殺に追い込んだいじめをした男です。そして泥の中で助けてやるから自分が殺したと告白しろというのですが、そこまで人間の告白に意味があるのかわからないです。実際この男告白以前に体力がなく死んでしまいます。このときのこのいじめた男の死は誰の責任でしょう?いじめたことと、そのいじめを認めさせるために救助を遅らせたことと違いはないのでしょうか?Aも昏睡状態に陥りますが目を覚ましたときに目の前にいる看護婦の美人なこと、なんと言う女優でしょうね。すごく印象深いかわいい子です。

「人間の隣には人間がいる」丹下一等兵が原隊復帰の時の会話の一部です。丹下一等兵とはかなり腰の据わったAのような男です。

そしてこのかわいいと思った子はAもお気に召していて女もAのことが気になります。それを怖い婦長が察しして今度も糾弾されます。そして前線行き。看護婦も違う前線に。別れ際に「会いたい人には会えるんだと、目くら滅法に信じる」と言って別れていきます。そして次へ。看護婦の女優の名前は岩崎加根子(俳優座の人みたいです)。

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「カオス」 中田秀夫監督 2000年

この辺の映画はアメリカなどを調べてみると意外なことに商品化されているんですよね。怖いくらいに日野日出志とかもパッケージになっています。リメイクが流行っているからでしょうか。萩原くんは「CURE」以来です。

冒頭のレストラン、なんですかあのオープンな雰囲気に変にトラディショナル、そして壁にはカシニョール、もうおかしい。(外観が写った瞬間、あそこだ、と見当ついてしまいました)すごい違和感が襲います。女に肉を切らせる男も凄い。(手に怪我をしているんですけどね)女はAとしておきます。すぐに誘拐されます。萩原君(B)とします。また犯人役。ポイントはAが誘拐される前、鏡を意味ありげに見ていたこと。

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