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ガレー船までの途中、ナザレの町で休憩のときにローマの兵士にいじめに遭っていたのをキリストが助けます。そしてガレー船の漕ぎ手を3年経過。ソルジャーに推薦されます。まあその前にローマ軍はマケドニア軍と戦うのですが。とりあえずこの海戦も見所のひとつです。そして指揮官を助けてローマの帝国内でどうにかソルジャー(騎士)の生活を得ることが出来ます。何故助けたのか?確かに疑問ですし、その後の人生を見ると取り入った感があるのですが、運命とはこんなものでしょう。

勝利の行進にも参加できますし、皇帝の判断も仰げるのでメリットは大きかったです。実際にトップはそんなにひどくなく、末端がひどいのです。元老院と長老の(ローマはこういうことでは機能している限り理想に近い政治体系でしたね)判断で長官(助けた指揮官、D)の自由の判断に任されました。そして騎士(ソルジャーという喧嘩武道みたいなもの)として優勝も5回しました。この騎士のシーンも見所のひとつです。

そしてローまでの素晴らしい生活をあとに母と妹のためにナザレに向かう途中にバルタザールというものに出会います。ご存知でしょうが、ブレッソンの映画の題名みたいです。何か意味があるのでしょう。「妻は神ではないんだ、ひとりではよくない」という族長の言葉は面白いし、ここで「生命の存在が奇跡なのだ、あとは神の天罰に任せなさい」バルタザールの言葉、本当にその通りです。「星の導きでベツレヘムに行った」そしてキリストの誕生を見たというあたり話が盛り上がってきますね。生家に戻るとEがいるのです。

Eも「愛は憎しみより強い」と憎悪の念を消すように言います。AEはうまくカップルになれましたね。待つということも大事です。母と妹はずっと牢屋の中で「業病」にかかって牢を追い出されます。そして実家に帰ってきて再会しないで病人の隔離された谷に向かいます。親子の情が深い良いシーンです。

そして族長が仲介で競馬が行われオッズはABで4対1、うまく乗せられて大金も賭けさせられます。ほかのものは誰もこの賭けに乗りません。相手はローマの中心で戦ったヒーローですからね。まあ勝利します。しかし死に際に、またBはくだらないことを言ってしまう。そういう性格なのでしょう。「母と妹は業病の谷にいる」と。

そして祖国のために立ち上がることにします。このことはローマの長官の養子の座も捨ててしまうことになるのです。安住はしない、戦い続ける決心をしたということ。ちょうどキリストも力を持ちつつ(教えが広がる)ある状態で、ローマの統治に変更の兆しが出ております。そのことはキリストの裁判にも出てきます。ちょうど母と妹をキリストに会わせたいと、Eが言うので連れて行くと裁判の最中でした。そこでAはガレー船に行く途中に水をくれた人を知るのです。そしてキリストが死ぬ間際「父よ、彼らを許したまえ」という言葉を聴いてAは「憎しみも拭い去られた」状態になり、母と妹は病気が治り、お互いに良い状態で再会します。すべてはキリストが罪をかぶって、愛を与えてくださったのです。最後は実は意外と忘れておりました。

3/22

 

「ローマの休日」ウィリアム・ワイラー監督 1953年

ベンハーに圧倒されましたので、続いて同じ監督の名作を観たいと思いました。実に6年もこの映画のほうが前に出来ているのです。それも舞台がローマというのはベンハーの後はおかしいですね。

展開のテンポは昔の名作にあるハイテンポで要所のみ、という映画の見本みたいな始まり。オードリーは美人です。この人を奥さんにした人はどんな感じでしょうかね。2回結婚していたと思います。しかし監督も役者もうまいですね。はじめの「靴を脱いで落とす」シーンでもうはらはらしました。やはり名作というのは何回見てもいいですね。将軍が注射を打たれるところ見るだけで倒れるとか、コメディの要素がたっぷりと入っていてロマンティックなんですよ。すばらしい作品です。

出会いのシーン、忘れてました。一歩間違えると危ない状況でしたね。こんな出会いだったかと、忘れている自分が情けない。しかしタクシーのシーンは今では成り立たないシチュエーションですね。まず何かが起こる。怖い時代です、現代はね。アパートの管理人にも「ベリッシマ」と言われるくらいですので治安はよいのです。しかし大胆でしたし、グレゴリーペックのほうは清純でしたね。清い交際という感じでいいなあ。そして寝言で皇女かどうか聞くのはいいです。あとは知らない振りで楽しめます。実際は賭けをしていたのですが楽しんじゃうのですよ。遊んだほうが楽しいですもん。起き掛けに尋問した感じで、遊びに切り替えるきっかけが出来ました。しかし特ダネはまだ狙ってます。当然王女は職務に戻らなければなりません。別れるのですが(よく引き止めなかったと思います)偶然遭うきっかけを作ります。このアパートにいるオードリーは本当に美しい。シャワーシーンなんてとってもいいですよね。少なくても私には美人に見えます。たしかアメリカでは意外と人気高くなかったと思いますが、たまらなく良い。ちょっと朝鮮系の日本人にこの顔に似た人がいるのですがそういう意味では日本も面白い国なんですよね。渡来系というのか、日本海、西日本のほうが特に朝鮮半島に向いている地域には意外と多い感じがします。私の住んでいる横浜は特別な場所なので外国人が多いこともあり、日常的にこういう顔は見かけます。それが日本で人気が高い理由のような気がいたします。本当にいると思います、身近に似ている人がね。

街に出て髪の毛を切るシーンも、生意気なところと、かわいらしさが混ざっていいです。すべてがこの映画はいいなあ。偶然遭うのですが、それまでの王女の行動も見ていて楽しませてあげようという気になるのです。髪の毛切ってジェラート食べているシーンを見てしまうと楽しませてあげようと思いますよ。スペイン階段のシーンです。

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