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スクーターのシーンもドキドキしますけど、警察で夫婦と偽るところで結婚のマーチが流れるところ、せりふがないところがすごく効果的で作り方がうまいですね。観客を主役にさせるというか応援させる役回りに仕立て上げます。それは続く「真実の口」のところで完璧になります。いつ観てもここでの王女の驚き方は本当にかわいいし男優もみんないいです。サンタンジェロ城での踊りもいいです。こんなに踊りがいいのも少ないです。ムーングロー、とかもいいけどね。あれはキムノバクとウィリアムホールデンでしたっけ。

そして王女が美容師と踊っているところ写真撮るところは楽しいですよね。すべてが面白い愉快なシーンです。そしてキスシーン、水も滴る良い男と最高の美女ですね。これも秀逸なシーンだな。せりふが少ないのが本当に良い。

しかし別れのシーンで思ったのですが、こんな素敵なたびになるというのは王女が積極的に作り上げたからでしょう。そして記者も積極的に(下心はあったのですが)参加して作っていったからでしょう。素敵な瞬間はひとりでは生まれないと思います。この築きあげるということが根底のテーマですね。愛は楽しさは作るもの。「義務を感じなかったら、今晩帰ってこなかったでしょう」聞かせてやりたいね。この辺で感情は頂点に達して、最後に記者会見で出会うシーンでまあまあ納得しますが、最後まで突っ走った映画です。珍しいハイスピードの映画でしょう。

3/23

 

「タイタニック」ジェームズ・キャメロン監督 1997年

はじめてみます。まあ2枚で1480円という映画館殺しの値段なんで買ってみました。ケイト(A)の年とっておばあちゃんになって生きているというのは知りませんでした。見ていないのですから当たり前なんですが、そのおばあちゃんが述懐していくというのは良いですね。ディカプリオ(B)とはじめからカップルではないというのも知りませんでしたから、なにか今頃になって新鮮な目で見ております。

社交界のパーティーとアイリッシュパーティーが映るくらいで特記することはありません。ケイトはわがままな自由奔放な女の子を演じているのがちょっと違和感あるくらいかな。しかしBは男の子、これくらいの押しの強さが必要です。

船の中ということで上流階級と下層階級がそれほど距離を置かないで生活するということにポイント置いている点うまいと思います。

そして極め付けのうまいシーン。AがBの誘いを断った後気持ちが変わり(子供が窮屈そうに育っているのを見て)Bの元に行くシーンですが、空が夕暮れの乳白色、場所は船首、そして音楽は主題歌、すべてそろっているシーンです。ヒットするわけです。さめてみていても、決まっているなあ、と思いますもん。

あとは乗組員のかったるさ、どうしてこんなことわからないのだろうか、という点です。これはハラハラします。こういうのがヒットする原因なんでしょう。

そしてね、氷山にぶつかったとき、泥棒騒動をする登場人物たち、なにかさめて「お前ら馬鹿か」と言う目で見ることが出来ます。そういう映画なんですかね。あとは迫力で押し切る映画ですね。ポイントは生きていた(約束を守った)Aの述懐とそれによって真相を知った宝探しの連中に反省を促すと共に、Bの魂の鎮魂と変わらぬ愛情を持ち続けたピュアな女性がいたということでしょうか。写真でもわかるように約束どおり生き抜いて、活発な人生を送ってきたみたいですね。この気持ちを入れ替えるということが一番のBへの思いやりですし、いつまでも忘れないということ、それが鎮魂です。そしてひょんなことからまた再会できましたもんね。

3/24

 

「トーク・トゥー・ハー」ペトロ・アルモドバル監督 2002年

懐かしいです。ビナ・バウシュの舞踊「カフェ・ミューラー」から始まります。「ホワイトナイツ」みたいですね。

この舞踊の主題が映画に関係していると思います。

この舞台を見ていた隣り合わせたふたりの男A40代B30代を軸に二つの物語が進行していきます。Aは女闘牛士に興味を持ちインタビューしようとします。なぜならばこの闘牛士(C)は孤独の恐怖が顔に出ているからです。ビナバウシュの舞台も同じように風に飛ばされる女ふたりが迷っているところに男が現れて道を開いていくというものです。

そしてBは看護士で4年間眠り続けた女(D)の世話が特に好きな男です。かなり一方通行的な恋愛感情を持っているのでしょう。しかし「奇跡」は信じている男です。

きっかけの提示はひょんなことですがAとCは行動を共にするようになります。信頼関係は出来上がっているのです。しかし闘牛で牛に全身を突かれて意識不明の重態の陥ります。

CDともに同じような状況でABという優しい男がそばにいるという状況が生まれます。

同じ病院なのですれ違いの出会いがあり、お互いに接近していくのです。その前にAは夢の中で思い出として、Cと一緒にいたときを思い出すのですがそのときコンサートに行っていて歌手はカエターノ・ベローゾです。ギターにバブルベース、チェロというロマンティックな構成であのささやくような歌い方です。彼のコンサートの「フェリーニ」にささげるジュリェッタのコンサートはいいですよ。

「死から生が誕生する」その生、精霊を女のダンサーにやってほしい。新しい舞踊の構想。

こうのとおりに映画もなるでしょう。きっとね。

バレエ教室で踊っているDを窓越しに思い続けたストーカーであるBという存在が浮かび上がってきます。ストーカーくらいでないと結ばれないのか?「はつ恋」の平田もストーカーだったですよね。そしてDの親の経営する精神科の患者になり、家に侵入します。

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