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「キャントバイミーラヴ」、スタジオを出た瞬間、この曲だと思ったらすぐに流れてきて、忘れていないんですよ、歌詞も映画も。そして今この歌詞を読むと深いなあ。愛は金で買えない、というのいいですね。今の日本はお金で買えそうですが。笑い。

映画とすると、今の感想は、ビートルズより年上で出てくるせりふのある役者みんな魅力的ですね。かなり良い俳優使ったんじゃないかな?調べる気はないですけど。

「アンドアイラブハー」のスタジオテイクもいいですねえ。若返った気分です。

結局ノスタルジックな時間はあっという間に終わってしまいました。ビートルズはいいなあ。最後のお辞儀も丁寧でいいですね。何でこんなに良いバンドが生まれたのだろう?

3/27

「帝都物語」 実相寺昭雄監督 1988年

この映画、もう15年も前の映画になるんですね。確かに今と俳優が違うことは事実ですが、ちょっとこの前、という印象しかないです。この手の映画は大好きです。

呪詛を土御門家が封印していたのですが、その封印が解かれてしまい、将門の怨念と共に蘇るかという話です。最近、陰陽道とか映画が流行っているのでまるっきり同じだと思ってもかまわないのでしょう。恋愛の片思いの女が鬼になって呪い人形に釘を打ち続けているのをその呪詛と解くと言う話もありますよね。ゆかりという女C(けいこ)の妹、が加藤(安倍の子孫と名乗るもの)に連れ去られて子供を身ごもります。ということは生まれた子供は加藤の子供(ゆきこ、といいます)なのです。何か違うオチが待っていそうですが。この、ゆかりとけいこが親友同士(DE、Dの妻がけいこ)の妻や妹なのですがたまたまなのか話の本筋に忘れた頃に出てきます。

ここで、ちょっと関係ないのですが、ある神社の宮司、Dの妻けいこ(B)の流れは相馬でその先祖は将門といういことらしい。それで平将門の血を絶やしてはならないという試練があるのです。加藤(A)の方は安倍氏につながるみたい。そしてBを使って将門を蘇らせようとしてさらったみたい(まあCを身ごもったので成功でしょう)加藤は土御門とも違うらしい。土御門と安倍は対立しているのでしょうか・この映画ではそうです。

とにかく土御門は「都市にも徳というものがあり」江戸は霊場だったのを吉相に変えることで抑えてきたことで栄えてきた、とのこと。都に徳を持たせようとする人たちと壊そうとする人たちの対決です。Aは大連に行ってしまうのですが数年たってその意味がわかります。東京に地震をもたらす音叉の原理で大連で揺らすと東京では同じ地層の上にあるというのでより大きく揺れるとのことです。同じ地層の上にあるのか知りません。そして地震が起きるが将門の霊は起きなかった。それはBが守っていたからです。そして加藤とBの戦いになる。

途中、地下鉄建設の話の時、「こうもり」の音楽が流れるのですが先日見たビートルズの「ハード・デイズ・ナイト」でもあのビートルズの前のスタジオでこうもり収録中だったんですが引用されやすいのでしょうか?続けて関係ない映画で出てきたものですから驚いてます。

つまるところ加藤の行動の根源は帝都、江戸は霊地として霊験高らかな土地だったのに都市化で汚されてしまった。それを壊して、霊地として甦らせるというものです。しかし加藤は将門の子孫ではないんですよ。この辺に思い違いがあるんじゃないかな。まあこれからは土御門というよりBと加藤の対決です。

また市民はというと関東大地震のあと地下鉄に端を発し、地下に都市を求めます。そしてロボットを使おうとするのですが、そのロボット開発者に西村さん。この人黄門様より、「ゴケミドロ」みたいな狂気的な研究者のほうがあいますね。

この地下鉄建設と霊能者?の戦いが並列的に描かれるのですが、加藤との戦いは加藤にゆきこ(将門の子孫)が子供として味方した時点で有利になってしまいます。地下鉄建設はこの将門の墓の近くをうまく掘れないのでロボットを使うということで関係するのです。そして加藤が将門の魂を呼び起こそうとするときに、ロボットは出発して、かつ、けいこも戦いに行くのです。ロボットのシーン、地面師(風水学者)と四天王との戦い、将門の墓のシーンがすごく動的なのに対して、加藤とけいこの戦いはやけに落ち着いてます。それだけ、静と動の対比で静的な部分の重要性が強調されます。この辺はすごくいいですよ。ギーガーの作品もたくさん出てくるし、金、かけているな、さすがバブル期と思う瞬間です。ロボットが犠牲になって「地脈」を断ち、かつDCが人柱になって将門の墓に入り込み静まります。瞬間、将門の顔が映るんですがいい感じです。そして加藤は死ぬ。「憎め、その憎しみが私を大きくする」という憎しみの代表者なんですね。

人柱になった3人は将門により助かる。子孫ですから殺しはしません。最後付近に風水学者が「この街は怨霊だけでなくもっと恐ろしいものが巣くっている」という言葉、資本主義の元凶の利己主義、自分だけ儲かればよい、などの考えでしょう。しかし儲かる可能性があるので人々は集まる。

大団円、玉三郎の占い札が「観音」だったのに風に飛ばされて拾ってみると「悪魔」に変わってました。その横を加藤のような軍服を着た男が通る。すなわち右翼化です。そして戦争へと突入していくのですね。その戦争の中で日本は「満州国」という独立国家を作っていくのです。まさに他人の領地を侵して利己主義に走るのです。まあすごい時代です。

この映画、話がちょっと見えにくいですが愛すべき映画です。最後にまた、「こうもり」のワルツがかかって終わるところがいいなあ。オリジナルの楽曲も管弦中心で良い曲が多いですよ。サントラ意外といいと思います。

3/28

 

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