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しかし弁護士が編集長に買収されてしまいます。Bが裁判に裁判に加わらないし、どうなるのか一応、観客を心配させます。

AもBに好意はあります。なぜなら「雲取山」を誰にも売らないのです。Bは個展をたずねてこの絵を売ってほしいといいます。Bにもいい思い出なんですね。

弁護士は買収されているので法廷で機能しません。それで世間、法曹界から非難が集まるのですがAだけはヒューマニズムの塊で最後まで信じた人を信じきります。それはあのかわいい娘が父親を信じられなくなったときも信じてやってくれというような言葉で象徴されます。黒澤監督は常にこのヒューマニズムを持った監督です。そしてそれを踏みにじるものを憎むというスタンスを持ち続けた監督です。

しかしここというところで、弁護士は弱みがあるので黙ってしまい、不利に展開します。そんな中最終弁論を待たずに娘が死にます。さて弁護士は?まあ結果はわかるでしょう?

Aの比喩いわく「勝利より私たちは星が生まれるところを見たんだ、その感激に比べれば勝利なんて小さい」これが黒澤監督のスタンスです。

あらまあ、娘役桂木洋子だとのこと。若いときは美人ですね。ついでにモデルは千石則子です。

4/5

 

「インディペンデンス・デイ」ローランド・エメリッヒ監督 

この映画なぜか観ないままでした。多分、「ディープ・インパクト」とかも面白いのですが印象が弱いせいだと思います。でも大音量で観て見ましょう。こんなことは休みの日にしか出来ません。

しかしここにジョディ・フォスターがいればなあ、というようなメキシコの宇宙レーダー探索ステーションで始まります。まあ宇宙人らしきものが月にいるとのこと。考えてみれば災難が地球に降りかかったとして一番慌てるのは今はアメリカ人かもしれません。

話が散漫になってますが、まあ隕石の大きいのが降ってくるということ。これはもう運ですね。地球の軌道が変わって人類滅亡でも仕方ないし、たまたま生き残るのも運。米国大統領も残って、臨時の閣僚を組ませるみたいですよね。何かこの映画プロパガンダはいっているような気がします。どこの?さあアメリカ政府ではないでしょうか?隕石が3つアメリカには向かっていてそれはLAとNYとワシントンというのはいくらなんでも確率が良すぎるか、恣意的なものでしょう。ということで破壊目的なんですが、その攻撃が宇宙船艦ヤマトの「波動砲」に似ているのには笑わされます。というよりこの映画基本的にどこか間違っていると思う。何も言わずに攻撃するというシーンを作るほうがおかしい。なぜならば有無を言わせず破壊できるなら、一気に突然それこそ地震のように破壊します。映画的な時間が流れてますよね。攻撃というところまでかなり時間かかってくだらない各方面のリアクションなんかをスケッチ風にまとめてます。動機は地球が欲しい、それだけ。酸素を吸って生きていて寒暖の差に弱いからです。それなら人間と同じ発達をすると思うのですが、同じ発達の経路をとったとしてもスタートのときが数億年違えば結果も違いますよね。

しかしあの無線屋と黒人パイロットはかっこいいですね。あと大統領も最後に戦場に出て行くところはいい男です。

ということで最後のほうは一気に観てしまった感じで、わくわくしたというしか表現が当てはまるだけの時間でした。こういう映画って考えないで心地よい気分にさせられますね。ちょっと爆破の余波は小さすぎるかな、とか余計なことは考えるのはやめましょう。映画館では叫ぶ人間はいると思う。

4/6

昨日もライブを見ました。シンニード・オコーナーです。人がなんと言っても椎名林檎や及川さんよりはまったく問題にならないほど上質のものです。

 

「ジョン・レノンの僕の戦争」 リチャード・レスター監督 1967年 イギリス

この原題は「How I Won The War」です。何でジョンレノンがついているのかわかりません。まあジョンのファンを取り込まなければ興行が危ないと読んだのでしょう。正解です。1945年ドイツのライン川まで攻めあがった英国部隊の話です。中尉の回想録(中尉をA)という形で進行します。1939年に軍隊を志願して士官候補になるところから始まります。最近この戦争関係かなり見ているので、こういうときは一気に見たほうが良いのです。

Aの書記がジョンレノン(B)。

まあまったく、映像として流れる話には興味がなく、いいかげんで、自分のことでもほかのことでも考えてみていたのですが、それでも英国は勝ったんです。それと同じようなことを若干皮肉を込めて描いていると思うのです。ホモ、不倫、女などの話をしながら自分たちは大丈夫と思っていると大丈夫なわけはないんですが、相手も同じような人間なので義があるほうが勝ったのでしょう。そんな内容が全編に流れるだけです。このことは「人間の条件」もかなり割いて描いていたので(軍隊の矛盾ですが)まあ風刺なんだろうなと冷めてみておりました。北アフリカのシーンは「アラビアのロレンス」のパロディです。あと「戦場にかかる橋」のパロディも出てくるんですが、この映画事態がパロディで実際に映画の中でも冗句をしょっちゅう言っているんですが、私にするとまったく受けないものでした。基本的には事実というより、冗句の利いた反戦メッセージと考えたほうがいいです。簡単な話、戦争に向かない連中が戦場で関係ないことばかりやっていること自体がパロディでそれでも勝ってしまった事が最大のジョークです。出てくる人たちがみんな平和を愛しているのですが戦争しているのもジョークでしょう。

最後にジョン・レノンはほとんど出ないと思っていて間違いないですよ。

4/7

「真夜中の招待状」野村芳太郎監督 1981年

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