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そして二人は、あの羽で飛べるかどうか、信じているかを自ら試し、飛ぶことにします。それが出来たなら村の人々に人神として祭られ言うことは詔となることでしょう。これにチャレンジします。まあ失敗しますがヤクザは居残り、土地のものというか土地のもの移譲に自然を愛するアドバイザーとして生活していつの間にか飛べるようになりましたとさ。

いい映画だなあ。この監督の作品とは思えない。ずば抜けて良いですね。

4/19

 

「攻殻機動隊こうがくきどうたい(GHOST IN  THE SHELL) 」 押井守監督 1995年

パトレイバーがらみでこの作品も見ることにしました。しかしまったく知りません。実はパトレイバーも意外と期待したほどではないという印象なのですが、これはどうなんでしょう。アメリカではヒットしたらしいですね。テンポが良すぎてついていけないところはあるんですが、ハイテクが主導の割には人間が主役なんですよ、この近未来。なにかしっくり来ないんですが50年前からすると今もこういう風に物は進んだけど人間は相変わらずだな、といったところでしょうか。

何か説明がなくてはじめとまどいましたが、一連のタイトルバックの映像で説明があったんですね。あれで「電脳」のゴーストがいるらしい、ということを判れというのでしょう。全部、有機体からなる人間が珍しい世の中らしい。擬体も使いより機械的になっているのです。しかしそれを悪用もできる、ハッカーの存在がポイントになる世の中。生きていたくない様な世界です。結局、システム化されたものはそのシステムの限界があり、かつ志向性も同じなので変化がないのと同義になってしまう危険があります。そのシステム化された反応を操ろうとするのがハッカーなんです。はっきりいって途中で投げ出したくなるような映画です。しかしなにか音楽とか演出の魅力は感じます。

実はここで一度断念をして再トライです。今回が3回目くらい。まったく意味がわからないので途中で2度ほどやめてました。

とにかく少佐が女なんですが、頭の後ろで情報のやり取りをしているのか、スパイみたいな存在です。そして国家間の争いに口を挟むみたい。しかし、はじめの絵でやはり付いていけない。この少佐はなぜか任務をするときに裸になるんです。電脳迷彩というらしい。多分、人口の皮膚は隠せるけど物理的な洋服は隠せないからでしょう。

しかしこの映画がつまらないのはわかりました。それは新しい発想の物が出てくるので登場人物に説明させなければいけないのです。だからそのせりふがやけに冗長なものになるので聞いていて普通の会話とは思えない。この会話の非日常性が最大の欠点です。まあこれは置いておいて少佐のいる9課は情報犯罪を扱うところみたい。そして女であるということは電脳の過程を見ると裸になるんです、そのシークエンスを描きやすいからではないでしょうか。男だと突起物があるし、女の胸は意外と普遍的だからという感じがします。多分ぜんぜん違う意味なんでしょうけどね。

最後は続き物が出来るような終わり方です。最後に戦った二人というか2体は合成したみたいですね。壊され方とかかなり暴力的です。そして、脳の一部にしか元の形がないため、こういう壊され方をしても生きて(存在)し続けるのでしょう。

まあ、古いながら一時はやったアニメを経験したということが一番大きいですね。アニメは難しいです。

4/20

「悪霊島(あくりょうとう)」篠田正浩監督 1981年

久しぶりに金田一さんです。そして篠田監督です。あまり好きな監督ではないのですが。

舞台は九州と四国の間の島。景色のいいところですよ。大好きな場所です。これだけで見てよかったと思ってしまう。しかし役者が違うとこんなに違和感があるのか、と思うのも事実です。

たぶん本当のことでしょうが、恐山の「いたこ」のような霊媒師を四国のこの地方では「いちこ」というらしい。どちらも行ってみたいところです。刑部島と刑部神社共にあるなら行って見たいです。磯川警部と金田一耕介の目的がひょんなことから一致します。

この島に向かうのですが、当然この島は平家の落人伝説があります。そして「鵺」という鳥。からつむぎ、というらしい。私の場合、「能曲」で知っているので何の疑いもなかったのですが、「鵺」という鳥は別名みたいです。伝統芸能の流れですが、祭りで「人形浄瑠璃」をやるなんていいねえ。「神楽」はスサノオノミコト、

事件は少し入り組んでいて、監督のまとめ方が下手なので、わかりにくい人物関係です。

まあどうでもいいでしょう。シーンのつなげ方がうまくないと思うのです。また金田一シリーズの中で一番つまらないと思います。

しかしまたこの映画でも「原爆」が出てきたのは、なにか縁があるのでしょうか?最近原爆や戦争の事が出てくる映画ばかり観ております。

古尾谷の述懐という展開も気に入らなければ、ビートルズの曲が流れるのも気に入らない。この監督は、やはり「心中天網島」だけの監督です。60年代で安保闘争していた連中は好きになれません。これほど持ち上がらない「金田一シリーズ」もこの作品以外にはないと思います。もうちょっとおどろおどろしくなければだめです。この島は実存しないらしい。監督が日本の原風景を求めて作った架空の空間とのこと。この点では大成功をしております。

4/21

 

「金環蝕(きんかんしょく)」 山本薩夫監督 1975年

また、仲代さんと三國さんという感じですので、かなりいい役者なんですね。実際私もそう思います。しかし仲代さんに関しては最近観た邦画ほとんどに出ている印象です。

そして政治家周辺の風景はまったく変わってしまった感があります。赤坂の料亭なんて今ではほとんどないです。兜町から日本橋の景色も変わりました。

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