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「リベートの財源は国民の血税だよ」というせりふにはちょっと笑いましたが、いい思いしていたやつらがいたんですよね。彼らは決して返そうとはしないでしょう。これからいい思いができなくなるだけです。だから現役組は今の若者の年金に対してと同じような不満があるのかもしれません。年金も破綻しそうだというけど、ここまでほっといたのは誰なんでしょうか。一方で補助金はあるんです。補助金はカットしてでも年金基金の積み立て取り崩しはしないほうがいいと思いますけどね。素人の考えとは違うのでしょう。

ダムを作るのに、部下の見積もりでは足りないという、なぜならば、作業には石材が足りないから近くの山から切り出す必要がある、その運搬のために橋を作らなければならないし、道路も整備するだろう、というのです。落札させて見返りを多くもらうのは工事費用が高くなければいけません。だから、こんな見積もりになるのでしょう。いざ入札価格が高いとほかのゼネコンがディスカウントしすぎで落選します。そして賄賂を渡すときに、一介の成り上がり老人の金貸しに脅しを内閣の官房長官がかけられます。老人は調べ上げておりました。

あとは最終的には無難に終わるのですが、

途中は面白くはなります。でも限界が見えたあたりから、やはりつまらない、と思えましたが、いい作品であることは確かです。この老人に一肌脱がせたかったなあ。

しかしこのような邦画を見てしまうと、洋画は見にくくなってしまいます。たぶん気のせいでしょうけど。役者が日本人で日本語話してくれたほうが日本人が観るにはいいとは思います。最近字幕を読むのがめんどくさくなっただけだとは思いますけどねえ。

4/22

 

「点子ちゃんとアントン」カロリーヌ・リンク監督 1999年

この作品も大好きです。この作品のスパイスはなんと言ってもお手伝いのおばあさんと家庭教師のフランス人でしょう。

点子ちゃんは、ちょっとお金持ちの家庭の女の子の愛称です。お転婆なんです。アントンは好きな男の子。アントンの両親は離婚しているんですが死んだことにしていて子供に父親に会わせないようにしております。それで女の手ひとつで育てているのですが途中で病気になり、代わりにアントンが小学生ながらアイスクリーム屋で働いているんです。それで学校では寝てばかり。

点子のお母さんはNPOみたいな海外支援活動ばかりしていていつも海外に出張ばかりしていて家にまったくいません。それで点子の話し相手はいつもお手伝いさんか家庭教師です。この家庭教師のフランスの女が馬鹿で遊んでばかりいるんですね。それはお手伝いのおばあちゃんもそうです。3人で楽しい毎日なんですが、お母さんがいないんですよ。でも楽しそうなんです。3人でフランスの歌を歌うところなんか最高に愉快なシーンですよ。

途中でこの3人の中で感じることは、「母親が海外援助に行っているけど、援助する人は国内にもいるし、自分の子供もかわいがらなくては」ということです。

アントンは母親思いで母は常に「夫は好きではないけど、夫がいたからこのアントンがいる」という優しい目で子供に接しています。しかしお金に困って夫に無心しているのを、アントンに聞かれます。そしてアントンはまだ見ぬ父親に会いに行きます。それは無謀なんですが、子供のさびしさには母親も気がつきました。

そして、点子はお金を稼ごうと街で歌を歌います。これも家庭教師の影響ですけどね。その歌が大ヒットしてしまいますけど、両親に見つかって中止。このあたりで母親も家族の大事さ、国内での援助を必要とする人の存在などに気がついていきます。

そんなときに、アントンは点子のうちに泥棒に入ろうとするのいち早くお手伝いに教えて、このおばあちゃんと二人の連絡で泥棒を捕まえます。

ここで、優しい心のもち主と知った点子の母親は(実は、アントンは出来心から点子のうちで盗みをしていたのです、これを点子の母親は許していなかったのです)アントンとアントンの母親を海に招待して(海で療養すると治ると言われていたんです、ここは深く突っ込まないこと)2つの家族が仲良くなったという、子供の心が大人を動かしたという話です。

監督は違うのですが「ふたりのロッテ」とペアでお勧めしたい作品です。楽しい映画ですよ。

4/23

 

「人間魚雷 回天(にんげんぎょらい かいてん)」松林宋恵監督 1955年

なんというか、事実なんですね。特攻隊とともにすごい攻撃の仕方です。たまらなくいい映画ですよ。特攻隊については少しは知っていてほしいし、回天についても知っていてほしいと思います。これはこの映画には出てくることですが、特攻隊は人間魚雷の場合は軍隊年数の少ない、学徒たちが割り当てられたみたいです。それは短期間に訓練は難しいから。本当かどうかはわかりませんが、海軍経験10年もの古兵はこの映画では特攻隊に行きません。この映画はどのシーンを切っても絵になる、すばらしい映画です。こういう映画は少ないのですが、どこを切っても大丈夫です。その瞬間すべてが何かを語っている映画ですよ。

「突撃する」このことはハッチを閉めた時点でこの世とのお別れを意味します。この講義を聞く兵隊の真剣な目つき、そして機会があったら彼らの日記とか読んでみるといいと思います。あとノート、きれいな字で書かれております。

この回天、速度計がついていないんですよ。自分がどのくらいのスピードを出しているのかわからない。設計者の考えはおおかた見当がついてますけどね。

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