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あとで出てくるのですが、馬は第一話で手に入れて、拳銃はこの話で手に入れます。

余談ですが、主人公はいつも犬を連れています。当然この犬も優秀。

最後に助けてあげた子供と女を残して、金まで置いて去ってゆく主人公にダンディズムを感じました。

8/27

 

「鬼一法眼(きいちほうがん)」2 勝新太郎ほか監督 1973年

ここでは第三話。

ある農村での話なんですが、なにかいい味出ている映画です。悪い女頭に浜木綿子さん、農村の主に加藤嘉さん、いい味出てます。監督がこの回は三隅研次さん、悪いわけないです。日照り続きの村の悲鳴を水源を抑えている女主のいる寺に殴りこみに行って勧善懲悪をするという話ですが、なかなかどうしていいのです。

村人は農夫ですので保守的で排他的な人間です。それで今まで侍にだまされているので、主人公を信用しません。(荒野の七人、みたいです)しかし主人公の本質を見抜く女の子がひとりいてその女の子が強引なのと、主人公のいいなずけに似ていたのでこの殴り込みが実現するのです。雰囲気まるで、「七人の侍」の物語に似ております。

 

第四話

安田公義監督

賞金の相手が薩摩藩関係。場所は堺。見事にすべての人が一度は敵になります。その中で主人公の人物の大きさを見抜いたものが助かるという筋。主人公は賞金の相手が異人関係というだけで選択したのですが、変な人間関係に巻き込まれます。

この賞金の相手の女には見張りが常についてます。いわゆる、公儀と薩摩の関係に巻き込まれたのです。この女、意外と美人なんです。泉昌子という人みたい。

 

そんなことより、賞金の相手が薩摩の密売の秘密を知っているから薩摩が消すという筋、しかし主人公は密売で異人とつながりがあるこの男を助けてもっと詳しく知りたいということ。そこで薩摩を敵に回します。しかし薩摩をやっつけますが、頼みの男も死んでしまいます。また新たな旅立ちが始まるという仕掛。この回も面白いです。

8/28

「鬼一法眼(きいちほうがん)」3 勝新太郎ほか監督 1973年

第五話 若山富三郎監督

主人公自身の監督です。この映画から勝新太郎の主題歌が登場します。しかし内容はさすがに監督が俳優だけあってどこかまとまりがないもの。

下田奉行所に、尊皇攘夷を歌うカルト集団が立ちはだかり、人質をとってはどんどん殺していきます。そしてどうしようもなくなったときに主人公。まあ傷つきながらも成功しますがそれでも途中10人くらいの子供がどんどん殺されていきます。差別用語といい、この殺しといいやはり今では放送できないタイプのものでしょう。映画自体は今までで最低の出来です。

第六話 大洲斉監督

浜木綿子さん再登場です。あれで足を洗って堅気になろうと田舎に帰ってきたら、妹が偉人屋敷に売られるところだったという展開。あの時よく農民に殺されなかったと思います。

さらに信州のある藩の重大事を主人公は聞きます。その件とこの妹が連れ去られる件が同じ異人の仕業と聞いて主人公も動きます。

まあいつものパターン、すべてやっつけて、妹を助け出して姉の元に返して、また一人ゴンザレスを探して旅に出る。

前の作品よりはまともですが、さすがにこの辺でマンネリ化し始めました。もっとドラマテッィクな展開がほしい。いつも同じことの繰り返しになってきています。

1,2,3、作品目くらいまでは良かったんですが。

8/29

 

「鬼一法眼(きいちほうがん)」4 勝新太郎ほか監督 1973年

第七話 森一生監督

佐渡の手前出雲崎あたりが舞台ですが、まあ金山の金が絡んでくるだけで

これもあまり異人とは関係ないので、普通のドラマでしょう。金山の親分の娘と出会い

助けてやるが、主人公が死んだと思って自害してしまった。その弔いをしながらやるせなさを感じる主人公という感じか。なんかマンネリ化してます。

 

第八話 黒田義之監督

追われる女剣士たち、その逃げ場に主人公がいる。そこに追っ手、わらの中に隠して、自分でその女をはずしていないことを証明すると追っ手も去っていく。久しぶりに爽快なスタートです。

そして絶体絶命になるし、隠密を敵に回して裏切られっぱなしです。久々に面白い展開。

しかし異人は出てきません。この辺は「水戸黄門」的な映画としてみるしかないでしょう。その面ではドラマ的に面白いのが救い。それとミステリー仕立てで最後まで私もだまされましたし主人公さえもだまされました。ドラマ的にはかなり面白いです。

8/30から9/2まで夏休みです。

9/3

 

「鬼一法眼(きいちほうがん)」5 勝新太郎ほか監督 1973年

第九話 三隅研次監督

いやあ、この映画もマンネリ化の一本です。なんのとりえもないどうでもいい感じの話。

問題は異人の子供が純な気持ちを持っていた、人間はみな同じだということを主人公もこの中で出てくるものも皆知ることになるという点です。この監督にしては切れはない、挿話ですね。本当に中途半端です。

単にドラマとしてみてもいまいち。

 

第十話 斉藤武市監督

この辺になると「水戸黄門」パターンが出来てきます。ただこちらの主人公は賞金稼ぎと復讐が目的。状況は同じような、言いようのない弱いものをたまたま賞金稼ぎにかこつけて助けるという流れです。今回はお金を受け取りながら、悪人を裏切り正義に加担するという一見正しいようで、裏切るという行為をしている映画です。

とにかく、自分の目的まで勧善懲悪の旅路は続くのでしょう。

9/4

 

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