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そしてこの女の子の父親が山の者の頭領なのです。その勝負に勝ったが、殿様のところに行くとこの女の子、さらには殿様の潔い覚悟、部下のものの覚悟の前に賞金稼ぎが出来ませんでした。そして山を降りると幕府のものが待ってます。それをぶった切る主人公。

 

これ、どうしたのかと思うくらい、今までと路線が変わり、面白い内容です。多分、主人公の出自に関係のない回、と卍がでてこない回の除くと一番良いのではないでしょうか。

9/14

 

「鬼一法眼(きいちほうがん)」9 勝新太郎ほか監督 1973年

第十七話 大州斉監督

この辺はもう西部劇のノリの良さ。卍に紹介された賞金稼ぎの相手は邪宗の宗徒とその頭。

その砦に向かうまでも一波乱あるのですが、行ってからも、その女かしらに誘惑されたり大変です。当然そんな誘いにはのらないですよ。その邪宗の仏様がなにやらどこかの宗教と似ている気がしないでもないのですが気のせいでしょうか。

そしてその行動は革命と同じです。反逆というべきか。まさにこの時代の全共闘の影響でしょうか?対象は幕府というのだから卍が伝えたのもわかります。

しかしその団結はいい加減なもので反社会的な人間が集まっただけです。中には代官もいたのですが、結局主人公に壊滅させられてしまい、主人公はまた新たな異人への復讐の旅に出るのです。この辺のシリーズはちょっと突拍子もない、娯楽に傾聴したテイストのあるものでもう一歩進めば映画としても十分通用すると思います。

第十八話 三隅研次監督

ここで主人公は長年連れ添った馬を売ります。そして賞金を求めて悪党を追っていくと逆に先に殺されていました。そこは百姓の村です。ここで正体不明のものに襲われてかなりの恐怖を感じます。山の者もそうですが地理に精通しているものは強い。野党の襲撃に備えて村を守っていたのです。それで野党の一味と間違えられて捕まった。ここで狙いは野党のかしらに変わります。しかしこのかしらの妹が村にいて、当然村人から村八分にされております。このことから主人公と行動を共にするのです。

しかし村のほうからの依頼にこたえてかしらと野党一味殺しを請け負うのですが、村の人が総がかりで手伝ってくれます。この辺は「荒野の七人」みたいです。そして罠を作って追い込み、広場に誘導するとそこにいるのは主人公。この辺のカットはうまいです。短い時間なのにまとめる力量は素晴らしい。わかりやすくまとめ上げてますね。

しかし隠し財産はなかったのです。しかし野党の馬をもらい、その馬とはじめに売った馬を交換してまた旅に出る。

村を出るときはシェーンみたいです。まあ西部劇の影響の強い映画でしょう。しかしかなり良い物語です。

9/15

 

「いつまでも二人で」マイケル・ウィンターボトム監督 2001年

U2の歌を主題歌に使ってます。この歌好きなんですよ。今では巨匠の雰囲気さえ漂う作風のこの監督の少し肩の力を抜いた映画です。舞台はベルファスト、ですからU2なんです。

そこで倦怠期の夫婦、結婚5年目その前に付き合って5年、がいます。その倦怠期を子供のせいにして子供つくりに励みます。そこに10年前まで文通していたフランス人が登場。

家に居座ります。まあちょっとの滞在のつもりだったんですが、妻は新鮮さを取り戻し、夫はあろうことか昔の仲間とゴルフに出かけます。しかし夫の今の仕事は妻の実家の手伝いなので夫は妻の実家と妻に縛られている感じですよ。

途中コンサートでシューベルトの弦楽五重奏を聞くシーンがあるのですが、この曲難しい曲ですよね。チェロが実質的に中心です。ですからロマンティックになる。このシーンはフランス人と妻のためのシーンですから。

しかしフランス人は別に帰ってもやることがないので、アイルランド(北アイルランド)に定住しようと考えます。ここまではいいとしてこのことを打ち明けると夫婦は曲解します。ずっと邪魔されるのかと。そしてそのうちにフランス人も邪魔なのかと気がつきますが、どうも妻のほうを好きになったのです。この二人と夫は夫で昔の女との方が気が合うみたいだし、別々にうまくいきそうなんですが、そうなならない。ここがテーマなんです。

 

相性だけではなく、作り上げるもの、それが夫婦。そんな感じのすごくまじめな内容が本質の映画です。バイオリン、クラリネット協奏曲が印象的な映画です。バイオリンが夫婦、クラリネットがフランス人みたいな感じかな。最後の終わり方は「終わりよければすべてよし」という戯曲的な大団円でこの映画の喜劇としての風格を作り上げてます。

9/16

 

「シー・オブ・ラブ」ハロルド・ベッカー監督 1989年

実に意外なことにはじめてみる作品です。

アルパチーノ、エレンバーキンなら観ていそうですが観ておりません。

刑事役です。しかし題名は映画の中で流れる「愛の海」というナツメロのタイトルですね。

シーは彼女ではなく「海」でした。

プレイボーイが連続して、事の最中に殺されます。彼らは共通して新聞の出会いの欄に甘い詩を掲載して女の気持ちを惹きつけるのです。しかし3人連続して殺されます。犯人は女らしいということで、おとり捜査に走ります。それはこのプレイボーイ役を刑事が行うということ。ちょっとおいしい仕事でもあるので上司の許可はなかなか下りないのですが、まあやるしかない。

しかしそこで出会う被疑者の女性の囮としてアルパチーノが近づいていくのですが、なにか魅力を感じるのです。しかし半分疑っているのです。その疑いも晴れて結婚しようとするときに最後に彼女の家で徹底的な証拠らしいものを見てしまうのです。そのため躊躇しますが、それは実は彼女のもと旦那が彼女をストーカーして元妻が寝た男を殺して歩いていたというおち。

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